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上場するグノシー、2015年3Qの営業利益は2億円

2014年最大の目玉だったニュースキュレーションアプリ市場の雄・グノシーの上場承認が降りました。1年前の2014年3月のTVCM開始前のグノシーは200万DL程度でしたが、2015年2月末では886万DLとのことです。

スマートニュース化したグノシーvsスマートニュースという記事を1年前に本誌でも出しています。上場がどちらが早いかで勝負が決まるわけではないですが、2014年7月の東洋経済オンラインでのグノシー取材では「2015年に600-800億の時価総額で上場」と予測を出しています。

時価総額、業績、利用動向、今後の4本立てでグノシーIPOを見てみます。

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①:グノシー時価総額:公開時は約332億が1.5-1.8倍に?

まず時価総額関連から。

公開日発行済株式総数:21,878,000株
想定価格:1,520円
想定公開日時価総額:約332億

TS予測翌期当期利益:約5億円
TS予測翌期当期利益適用PER:約67倍

出典:EDINETや東京IPO

5月決算のグノシーは2015年3月時点で3Q決算を終えています。2015年通期会社予測の当期利益は500万円。2016年決算でどれだけ伸ばせるかが肝ですが、今回市場から資金調達する約50億円は今後2年にかけて広告投下でユーザー獲得に使うともあり、まだ先行投資期間で2016年にいきなり二桁億円の当期利益が上がるとは予想しにくい状況ですが、限りなく保守的に見ても5億は最低出ると思います。

公開時の株価予測ですが、gumiショックの影響からか本日3月24日上場のイードは公募価格から初値は1.4倍程度でした。グノシーはもう少し期待感があると思いますので、堅く見ても1.5倍は付けるのではと。2倍付けば時価総額は600億となり、東洋経済オンラインでの予測が実現します。gumiショックがなければ余裕で2倍付く可能性は高かったと推測します。

②:グノシー2015年3Q単独で2億円の営業利益

グノシーの決算の読み方はビジネスマンとしての数字が読めるかどうかの踏み絵のようなものだと何かの記事で書いたと思います。2015年2Qで3億の赤字で上場かよ?上場ゴールだな。という人は各四半期を分解してみると良いと思います。

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引用:グノシー2015年通期予測(東京IPO)

たしかに2015年2Q累計では3億の赤字ですが、2015年2月に締まったばかりの3Qを見ると2億の黒字。会社の2015年累計通期予測数字から引き算して4Qの予測を出しても売上は8億で営業利益は1.5億ほど。季節要因で4-6月期は広告売上のピークではないので、保守的な予想にしたと推測します。

見方によっては2015年2Qまでが先行投資期間ともみれます。現に2015年2Qまでの広告宣伝費は11.9億です。売上とほぼ同じだけ広告に突っ込んでいます。それに加えて人件費も乗ってくるのでそりゃ赤字です。

資金調達用途に2016年度も2017年度も20億強ずつ広告宣伝費に充当するという記載もあり、まだ広告に突っ込んで行くようですね。それを元にどう売上をどう伸ばすかに注目です。売上が伸びてきているので、広告宣伝費を抑制すればいつでもある程度黒字にできる状態が整っているといえます。

参照元:EDINET P6【手取り金の使途】

③:1年で200万⇒886万のDL数の伸びをCPI350円で実現

グノシーはニュースキュレーションアプリであり、DL数を伸ばしてどれだけ多くのユーザーに日々利用してもらうか。その滞在時間の長さを活かしてCPC型およびCPM型の広告で売上を立てています。他社に提供するアドネットワーク事業も展開しますが、ほとんどの収益をGunosy Adsで稼ぎます。

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1年でほぼ680万のDL数の伸びとなりました。

超ざっくり単純計算ですが、2015年2Q累計の広告宣伝費が11.9億です。年間換算をこれの倍として23.8億。
年間広告費(ざっくり):約23.8億
年間DL数の伸び:約680万
CPI:350円

CPI350円前後でDL数を伸ばしてきたといえます。

スマートニュースのDL数は1,000万を越えたと発表されています。国内のニュースアプリの市場規模も10代後半から50代までをターゲットとすると5,000万くらいがアップサイドでしょうか。その規模はグノシープラットフォーム構想と同じです。ニュースアプリからポータルへ舵を切るグノシーは国内は5,000万ユーザーをターゲットに、海外でアップサイドを狙いにいく感じでしょう。

④:DL数ではなくDAUの伸びが今後の売上を左右する

最後に今後の予測です。DL数は900万が見えており、2015年3月中には突破するでしょう。グノシーの売上はCPCやCPMベースの広告収入がほとんどなので、DL数よりもある程度の母数のDAUが広告売上を牽引します。

■月商3億のグノシーに月商0.7億のスマートニュースは追いつけるか?

グノシーの広告はセプテーニが月商1億レベルで売っているという説もあり、セプテーニとオプトが0.19%という超マイノリティな株主で入っています。筆者がアプリのプロモーションを設計する際に代理店にヒアリングしたところ、Facebookとグノシーへの出稿が多いと聞いた時期もあり、国内でのアプリプロモーションの数少ない有力な出稿先の一つとなっています。

グノシーはMAUやDAUを開示していないが、DL数ではなく、アクティブユーザーの指標となるMAUやDAUをどれだけ伸ばせるかが成長の肝となる。直近の数値を見るとグノシーの月商はほぼ3億。2014年12月に広告事業を開始したスマートニュースは2015年2月時点の月商が0.7億という説もあり、どれだけ肉薄できるか見物である。

グノシーとスマートニュースの広告事業の違いについては、グノシーがリアルタイムで広告配信のチューニングをしているのに対し、スマートニュースはコンテンツ編成が切り替わる30分ごとに広告も切り替わる。データに基づきリアルタイムに広告を出せる方が高単価なCPCが付きやすく、結果的に売上も伸びやすいのではないだろうか。

■グノシーのメインターゲットは地方ユーザーのマス層

グノシーはインターネット上の知的っぽい層(NewsPicksとかにいそうな層)にはあまり人気がないように見えるが、グノシーのターゲットは地方の若者などのマスユーザーである。だからしょうもないネタや2chまとめみたいな記事がピックアップされやすいのだろう。メルカリも地方ユーザーが多いと聞くが、C向けアプリでスケールするにはターゲットはマス層だ。

知的っぽい人たちにグノシーはまた叩かれるかもしれないが、気にせず頑張っていただきたい。というかたまにはThe Startupにもグノシー砲を運んでほしい。The Startupははてぶウケ悪いのでグノシーに載らない説がある。

ニュースキュレーションアプリはどうやって儲けるのか?という懐疑的な見方が1年前の今頃はかなりあったと思う。それをグノシーは1年という短期間で30億まで年商を伸ばしてきた。それは注目に値することであろう。

スマートニュース、Antenna、NewsPicksなどもそれくらいの規模感に到達するのか。それとも売上という観点ではグノシーが圧勝してしまうのか。NewsPicksを運営するユーザベースにも上場観測があり、ますます今後に注目したい。

最後に。2014年6月に執筆したグノシー筆頭株主の木村さんのファンドリターン予測の記事ではグノシーは「400億の時価総額で上場で保有比率は50%」という予測でした。かなり近い数字でしたね。

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