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FOMCの声明文から「忍耐強く」が削除されたことの意味

 本日は、株価が下げています。どうしてなのでしょう? 昨日、NYダウは上げているにも拘わらずです。

 でも、そのように考えるのは適当ではないかもしれません。そうではなく、NYダウが下げたからこそ、日本株が下げているのです。

 では、何故NYダウは昨日値を上げたのか?

 それは、FRBのゼロ金利解除の時期が少しばかり先送りされそうだという見方が広がったからなのです。つまり、ゼロ金利政策が長引くということで、市場が歓迎した、と。そして、それによってドル高円安の圧力が弱まり、それを東京市場では嫌気したということなのでしょう。

 でも、ここで違和感を感じた人がいるかもしれません。というのも、FOMCは、今回声明文のなかからpatientという語句を削除したからです。patientという語句が削除されたということは、ゼロ金利政策の解除が早まるということではないのか、と。

 これだけでは何のことか分からない人が多いと思いますが、要するに、ゼロ金利を解除するに当たって忍耐強く待つ気持ちであるとFRBがこれまで言ってきたのに、その「忍耐強く」という語句が削除されたということは、ゼロ金利の解除が早まると理解するのが普通だということです。

 そうでしょう?

 でも、FOMCはわざわざpatient という語句を削除しながらも、他方で、イエレン議長は次のように述べているのです。

 Just because we removed the word ‘patient’ from the statement doesn’t mean we are going to be impatient

「声明文から「忍耐強く」という文言を削除したからといって、我々がせっかちになるということを意味しない」

 私思うのですが、だったら削除をしなければよかったものを、と。

 いずれにしても声明文がどのように変わったのか、先ずそれを確認することにしましょう。

<前回の声明文>
To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that the current 0 to 1/4 percent target range for the federal funds rate remains appropriate.

「雇用の最大化と物価の安定を支援するために、当委員会は本日、フェデラルファンドレートを0%~0.25% の範囲に誘導する現在の政策を維持することが適当であると再確認した」


In determining how long to maintain this target range, the Committee will assess progress--both realized and expected--toward its objectives of maximum employment and 2 percent inflation.

「この政策をどの位維持するかを決定するに当たって、当委員会は雇用の最大化と2%のインフレ目標に向け、どの程度進展が見られ、また、見られる見通しがあるかを評価することとする」

This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments.

「この評価に当たっては、雇用状況、インフレ圧力、インフレ予想、及び金融並びに国際情勢の進展を含む幅広い情報を勘案することとする」

Based on its current assessment, the Committee judges that it can be patient in beginning to normalize the stance of monetary policy.

「当委員会は、現下の状況判断に基づき、金融政策の正常化を開始するに当たって忍耐強く待つことができると判断する」

<今回の声明文>
To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that the current 0 to 1/4 percent target range for the federal funds rate remains appropriate.

In determining how long to maintain this target range, the Committee will assess progress--both realized and expected--toward its objectives of maximum employment and 2 percent inflation.

This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments.

Consistent with its previous statement, the Committee judges that an increase in the target range for the federal funds rate remains unlikely at the April FOMC meeting.

「当委員会は、前回の声明文に一致し、フェデラルファンドの誘導目標の引き上げが4月のFOMCで決定されることはありそうにないという判断を維持する」

The Committee anticipates that it will be appropriate to raise the target range for the federal funds rate when it has seen further improvement in the labor market and is reasonably confident that inflation will move back to its 2 percent objective over the medium term.

「当委員会は、雇用市場がさらに改善し、インフレ率が中期的に2%の目標値に復帰することに合理的な自信が持てたときに政策金利の引き上げを行うことが適当であると予想する」

This change in the forward guidance does not indicate that the Committee has decided on the timing of the initial increase in the target range.

「フォワードガイダンスに関するこの変化は、当委員会が政策金利の最初の引き上げ時期に関して何か決定したことを意味しない」

 如何でしょうか?

 私としては、ああそうですか、という感じです。

 確かに、インフレの予兆がある訳でもないし、ドル高の悪影響が懸念されている現状からすれば、ゼロ期金利解除に慎重になるのはやむを得ないことかもしれません。

 でも、こうしていつまでも異常な金融政策が続くために、異常なことが普通に思えるようになっているのです。

 私は、そのことの弊害が大きいような気がします。

 株価が全てだと言わんばかりの考えが怖いです。

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