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個人情報保護法の改正のゆくえ

平成27年3月10日、個人情報保護法の改正案が閣議決定され、その条文案が公開されました。個人情報保護法は平成17年の全面施行後、初めての大きな改正となり、検討の過程においても注目を集めてきました。

内閣官房の法案概要資料では、個人情報保護法の改正のポイントは、次のように説明されています。
①個人情報の定義の明確化
②適切な規律の下で個人情報等の有用性を確保
③個人情報の保護の強化
④個人情報保護委員会の新設及びその権限
⑤個人情報の取扱いのグローバル化
詳しくは、こちらの内閣官房のホームページにおいても確認することができます。

今回の改正案について内容を細かく見ていくと、今回の改正における重要な論点のほとんどが政令や個人情報保護委員会規則などに先送りされていることに気づきます。

例えば、何が個人情報に該当するのかという個人情報の定義については、新たに「個人識別符号」(身体的特徴や個人に割り当てられる様々な符号)が含まれるものを 個人情報に位置づけるとされています。そして、その「個人識別符号」の定義を確認すると以下のように書かれています。

この法律において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるものをいう。

つまり、今回の改正でどのような情報が法律で定義される「個人情報」に含まれるのかは、結局のところ、政令が定められるまでは確定しないことになります。


また、今回の改正において、個人情報等の有用性を確保するものとして盛り込まれた「匿名加工情報」というものがあります。特定の個人を識別することができないようにするなどの加工を行ったもので、本人の同意なく第三者に提供することなどができるようになります。そして、この「匿名加工情報」を作成するに当たっては、以下のような義務が課せられています。

個人情報取扱事業者は、匿名加工情報(匿名加工情報データベース等を構成するものに限る。以下同じ。)を作成するときは、特定の個人を識別すること及びその作成に用いる個人情報を復元することができないようにするために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に従い、当該個人情報を加工しなければならない。

仮に、この個人情報保護委員会規則で定める基準が非常に厳しい基準だった場合、この「匿名加工情報」は利活用されなくなる可能性もあります。

今回紹介したもの以外にも多くの点で、個人情報保護法の改正案の詳細部分は、政令や個人情報保護委員会規則で詳細が定められるとされています。このため、具体的にどういう方法でパーソナルデータの保護を行っていくか、利活用を行っていくかという問題は、政令や個人情報保護委員会規則で決められる詳細に大きく左右されることになります。


今後、個人情報保護法の改正案は、今国会において審議され、法案が成立後に政令や個人情報保護委員会規則などが制定されることとなります。
今回の改正が、個人情報の適切な保護と利活用の調和に資するものとなるよう、国会での本法の審議に加え、その後の政令、個人情報保護委員会規則の検討においても、バランスの取れた議論が行われることを期待します。

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