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年金資産運用に見抜く力が欠如

某CSR(corporate social responsibility)調査会社で議論していたら、「最近の年金には失望する」との発言が出た。日本電産の永守社長の感想と一緒で、日本社会の形式主義への皮肉である。

この調査会社は15年以上(だったと思う)、企業の環境対応をはじめとして、CSRの調査を行っている。海外での評価は高いのだが、国内では真面目すぎて評価されていないのかもしれない。

その最大の要因は、この調査会社に直接、間接に業務を委託する年金ファンドも、アセットマネジメント会社も、本物を見抜く力がないからだと思っている。永守社長が怒ったように、「従業員の数は」「売上高は」と形式だけで委託先を評価すれば、サラリーマンとして大過ないからでもある。本当のところ、ニセ物を掴んでしまっているのだが、三途の川も皆で渡れば怖くないのかも。

昨年来、政府はスチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードを策定し、さらには公的年金(とくにGPIF)を通じて資産運用の多様化に力を入れようとしている。その多様化の1つがCSRファンドである。そこで、有象無象が「企業との対話」ファンドだとか、CSRファンドを立ち上げようとしている。

そのついでに、突如として「今までの実績がある」「能力がある」との自己PRにも力が入る。「でも・・」である。「それなら、もっと早く声を上げろや」である。こちらも素人ではないから、その組織に実績があるか、力があるのかは察しがつく。日本人は謙虚なことを美徳としてきた。力があるのに謙虚なのは損だ。力があり声を大きくするのは許せる、でも、力がないのに堂々と手を上げて手数料を稼ごうとするのは一種の詐欺である。

ということで、某調査会社の失望に同調し、ついでに、「この有り様ではスチュワードシップ・コードもコーポレートガバナンス・コードも泣くなあ」と思うばかりだった。

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