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「趣味」に特化したオンライン講座サービス「Craftsy」

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以前当ブログでは、オンライン教育プラットフォームの「CreativeLIVE」をご紹介した。写真や映像、オーディオ、デザインなどに関するソフトウェアの利用法などの講義を行うサービスで、リアルタイム配信で講義を行う強みを生かし、リアルタイムで講師への質問や交流をはかることができる、オンライン上の大学のようなサービスだった。

対して、今日ご紹介する「Craftsy」は「趣味」に特化したオンライン講座のサービスだ。「時間、場所、方法にとらわれることなく、自分のやり方で学べること」をモットーに、分かりやすく親しみやすい講座を動画で配信しているのが特長だ。

同サイトの各講座を担当しているのはCraftsyが厳選した「丹念に教えることができる」インストラクターで、235ものプロスタッフにより撮影が行われ、とっつきやすいものにするよう、グラフィックや3Dなどを利用して構成をブラッシュアップしているのだという。

また動画ページそのものにもレジューム機能、再生速度の調整、チャプター機能、分からないことがあれば動画ページを通して質問ができる質問欄など、講座に適合した各種機能を取り揃えているのが魅力だ。

スキルアップするためのノウハウ、考え方、必要な道具などを順を追って丁寧に説明

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現在、Craftsyが提供している講座は600以上にものぼる。刺繍やキルティング、縫製などを学ぶ「ミシン・キルティング」、自家製パスタやパン作りなどを学ぶ「ケーキと料理」、かぎ針や編み物などを行う「糸とファイバーアーツ」、スケッチや絵画、写真を学ぶ「アートとフォト」、ガーデニングや木工の「ホームとガーデン」などだ。

1講座ごとの長さはおおよそ4時間で、料金は20~50ドル(約2400~6000円)ほど。パソコンの他iPhoneアプリからも視聴可能だ。また無料で講座の内容や自分の環境から利用できるかの確認ができる少し時間が短めのミニ講座も用意されている。

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無料ミニ講座の総数は42種類で、カテゴリも裁縫、キルティング、ガーデニング、ペーパークラフト、ジュエリー、料理、木工、スケッチ、写真撮影、アクリル絵と幅広い。今回はこの中から、料理をする上で失敗しがちなこととその改善の仕方を学ぶ「Cooking Mistakes」という講座を選択してみた。

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無料講座は「短い」と銘打たれてはいるが、それでも総時間は1時間30分弱もあり、扱っている内容も堂々たるものだ。

6つのレッスン動画で構成されており、レッスン1では「包丁の使い方」、レッスン2で「時間配分のしかた」、レッスン3で「あらかじめ下味をつけるべきものと後から味付けするもののちがい」、レッスン4では「パスタの調理法」、レッスン5では「鶏肉をパサパサにしない方法」、レッスン6では「ステーキの焼き方」を学ぶことができる。

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(それぞれのレッスンのメニューを横に並べたもの)

それぞれの動画の長さは短いもので11分、長いものは19分ほど。順を追って流れを把握しやすいよう、「基本的な包丁のスキル」「カットの技術」「まな板のヒント」などの項目ごとに2~4個に細分化され、タイトルを選択することで頭出しをすることもできる。

また再生速度を「0.25倍速」「0.5倍速」「1.5倍速」「2倍速」に変更することができる他、一度動画を離れても先ほど見ていた場面から再生を行えるレジューム機能も搭載しているようだ。

それぞれのレッスンの進め方は問題点を把握しやすく、基本的な知識が学びやすい構成となっている。「Cooking Mistakes」の場合は動画の最初に「起こりがちなミス」を実演してみせた上で問題点をグラフィックで整理し、問題を解決するために必要な考え方、アプローチ、スキル、道具の使い方などを説明する。

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たとえば「料理の時間配分」のレッスンでは、並行して行う作業をうまく配分できずにパニックになる人が起こしがちなミスは「料理をする前にレシピを全部読んでいない」「必要な材料を前もって用意していない」「進め方のプランが固まっていない」ことに原因があると定義し、そこからレシピのメモの用意や材料の準備のやり方についてレクチャーしてくれるのだ。

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料理関連の番組は講義内容はレシピ単位であり、扱っている内容もそのレシピを作る上の手順のみにフォーカスされることが多いが、この講座はより全体的な料理のノウハウについて述べられたもので、さまざまな料理に対応できるためのスキルを提供しているという印象だ。

なお、はじめにグラフィックで論点を整理し、そこから汎用的・実践的な知識を提供するという傾向は他の無料動画でも見ることができた。問題点やスキルアップするためのノウハウ、考え方、必要な道具などを順を追って丁寧に説明している点に、同オンライン講座の人気の秘密がありそうだ。

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Craftsyではオンラインで動画を提供していることを活用し、受講者が他の受講者と動画を通したやりとりも行えるよう工夫を行っている。

それぞれのレッスン動画の右サイドには動画に対する感想や質問を行う簡単なコメント欄が表示されており、それぞれの場面で自分では解決できない問題があったときには質問を行うことができるのだ。

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コメントはビデオと同期しており、その投稿がビデオ内のどの時間帯でなされたものかが記録されるため、内容と深く関連づけることが可能だ。つけられた質問には他の受講生により回答がなされる。比率は低いが、講座を担当した講師が自ら回答を行うこともあるようだ。

たとえば包丁の使い方のレッスンでは「『三徳包丁』って何に使うものなの?」という質問が寄せられていた。その質問に対する他の受講者による回答は以下のようなものだった。

”日本版のシェフナイフで、「三徳」というのは3つの長所があるとか用途があるとかいう意味。野菜、肉、魚を切ることができるし、賽の目にしたり細かく切り刻むこともできるよ。シェフナイフのようには動きが伝わらないから使い勝手はちょっとちがうけどね”

いわゆる質問サイトなどと同じような内容だが、講座を一方的に受け取るだけでは具体的にイメージできなかったり、例外的な問題にどう対処して良いか分からないこともある。そうした不満を解消する上でこうした動画と連動した質問欄が用意されているのは心強い。

「料理番組ではパンを焼くときに失敗しそうなことについては教えてくれない」

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(出典:「Sew Mama Sew」)

グラフィック多用が示すように、Craftsyのオンライン講座はすべて録画配信で、専門の撮影チームが講師と共にハイビジョンでの動画の撮影を数日かけて行っている。その後は編集チームが3Dやグラフィックを使い、より理解しやすい内容にするよう工夫しているそうだ。

こうして作られた動画は、それぞれの趣味に取り組む人に対して、実践的な知識を提供することにこだわっているという印象だ。CraftsyのCEOのJohn Levisay(以下、レビセイ)氏も、同講座と一般的な番組や講座などのちがいについてこのように語っている。

”料理番組ではパンを作る方法は教えてくれるけど、パンを焼くときに失敗しそうなことについては教えてくれないからね”

このような内容の工夫もあってか、Craftsyの利用者数は2014年10月時点で500万人を越えた。開始当初はキルティングや編み物、裁縫などを扱っていたことから利用者の大半が女性だったが、写真や美術、料理なども取り入れるようになって男性の受講者も少しずつ増えてきているそうだ。

”人は何か趣味を持ちたいと考えるもの。そして生涯にわたって付き合えるのが趣味というものなんだよ”

 - レビセイ氏

「趣味」を深めるための講座配信にこだわるCraftsyでは、今後もカテゴリをむやみに増やすのでなく、それぞれが扱うテーマをより深めていくことを目指しているという。趣味を持ちたいと考える人のきっかけとして、あるいはよりその趣味を深めたい人のツールとして、同サイトは今後も機能していくことだろう。

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