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ズサンな政務活動費の追求など地方議会の徹底的な改革が統一地方選の大きな争点。有権者が追求しないと政治は変わらない

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ようやく明るみに出た地方議会の問題。この機会に最後までメスを入れなければもう変わらない

振り返ると2014年はこれまでで最も地方議会に関心が高まった1年だったとも言えるのではないだろうか。言うまでもなく、こうした注目の象徴は、兵庫県議会議員による政務活動費の不正利用疑惑だ。これ以外にも、東京都議会のヤジ問題など地方議会での不祥事は続いた。

中でも政務活動費の問題は、その後も様々な自治体で問題となり、私が以前市議を務めていた市川市議会では、兵庫県議会同様に、政務活動費による切手の大量購入や現金への換金の疑惑などが広がり、市議会ではこうした疑惑を明らかにするための百条委員会が設置、さらに疑惑を追及されている側が、相手側などに対して百条委員会を設置するなど百条委員会が2つできるという地方議会始まって以来ではないかと思われる前代未聞の状況になっている。この百条委員会設置の過程では、正副議長が議会に姿を見せずに帰り流会になるなどの問題も起き、挙句の果てに正副議長は辞職するなど、今となっては、日本一酷い議会だと思われているのではないかと心配になる。

地元紙や議会関係者などから聞くところによると、中には80円切手を17,000枚、136万円分も1年間に購入している議員たちがおり、アンケート調査名目で購入しているにも関わらず、アンケートの実態がないとも言われており、現金化しているなどとも噂される。

現職の議員たちは、こうした実態について、大方の事は把握しているであろうに、現職という事で明らかにしようとしない。もちろん、統一地方選挙で議論しなければならない争点は、それぞれの自治体に数多くある。
しかし、こうした政治の問題は、クローズアップされている時に一気にメスを入れない事には、一向に変わる事はない。 議会の中での自浄作用などが起こる事はまずない、おそらくこうした問題は全国にあるだろうが、今回の統一地方選挙で徹底的に改善まで追い込まなければ、この問題もあやふやにしたまま終わらせ、表面的な形式だけ少し整えて、後は解決しないどころか、有権者がより見え難い構造へと転換していく事になるだろう。

今回の統一地方選は、4年に1回のチャンスというだけでなく、ようやくブラックボックスだった地方議会の問題が、有権者や社会の明るみに出て、また、これだけ注目され、問題視された中で迎える大きな機会である。 その意味でも、この統一地方選の重要性を多くの有権者の皆さんに共有してもらいたいと思う。


月々5万円近くが支払われる政務活動費の実態

最新の2013年のデータ政務活動費を見ていこう。全国812市の86.9%に当たる705市でこの政務活動費が議員に交付されている。
うち月額30万円以上支払われている自治体が13市(1.6%)あり、その全ての自治体が政令指定都市だった。
次いで月額20~30万円未満の自治体10市(1.2%)、この内3市が政令指定都市、4市が人口50万以上と大きい自治体ほど政務調査費は高くなる傾向がある。
以下、月額10~20万円未満が46市、5~10万円未満が79市、3~5万円未満が105市、2~3万円未満が167市、1~2万円未満が225市と最も多く、1万円未満が60市となっている。

それぞれその中間の額(30万円以上については40万円として)で平均を出してみると、議員1人につき月額4.6万円が支払われている事になる。

図表1: 自治体規模別 政務活動費の額(2013年)
画像を見る
この政務活動費の平均額1年前の2012年のデータでは、平均4.9万円が支払われてたものが、今回4.6万円に約3,000円引き下がり、月額20~30万円未満の自治体が2市、10~20万円未満が8市、5~10万円未満が3市減った。しかし一方で、政務活動費が交付されている自治体の数は、697市から705市へと増加しているのだ。

最新のデータ自体が2013年のものであり、一連の政務活動費問題の前のものではあるが、最近のメディアの取り上げ方や、有権者の関心を見ていると、地方議会への関心は、遠い昔の話として忘れられてしまっている様に思う。もう一度、事の問題を思い出して欲しい。

政務活動費の問題については、公布の仕方にも色々と課題はある。一昔前までは、この政務活動費、領収書すら添付がなかった。 民間感覚から見れば多くの人が驚くのではないだろうか。

現在では、対象となる705市のうち701市では領収書添付とされているが、2市では一定額未満には領収書の添付がなく、さらに2市には未だに領収書を添付していない。小さな自治体だけだろうと思っていたら、未だに人口50万以上の自治体の中にも領収書添付が義務付けられていない自治体があるのには驚かされる。

また、交付時期の問題もある。交付時期については、月公布、四半期公布の自治体もあるが、政務活動費を公布している705市のうち34.3%に当たる242市では、半年に1回の前払い。51.2%と半数以上に当たる361市については、1年分が前払いとなっているのだ。
支払ったものに対し、領収書を持って後払いというのが基本の民間の感覚からすれば、あり得ない状況が当然の様に行われている。
こうした政務調査費については、報酬ではないため非課税になっている事も問題として加えておこう。非課税でありながら、実質、自らの第2の報酬の様に扱われている実態があるのだ。


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