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失言というより真実そのもの 派遣労働者はモノ そして国力は低下する

今国会での成立させられようとしている労働者派遣法改正案。
 厚生労働省の担当課長の以下の発言がこの労働者派遣法の全てを物語っています。

これまで使い捨てというモノ扱いだった。ようやく人間扱いする法律になってきた
 これに対して塩崎恭久厚生労働相が誤解を招く表現だと言い放っています。
 要は「モノ扱い」というのが誤解を招くというのです。

 2012年に民主党政権下で成立した一部改正により派遣労働者保護規定の強化がありました。
 しかし、今回の「改正」は企業にとってさらに使い勝手のよい派遣労働への解禁を目指すものです。
 今回の「改正」が通れば3年に制限された期間も、派遣労働者を変更すれば永久に派遣先では派遣労働者を入れておくことが可能になります。
 このような状態が派遣労働者の安定になるはずがありません。その派遣先企業が安定させることができるのであれば、直接、雇用すればいいのに、敢えて派遣を選択するのは当然のことながら、雇用調整のためです。簡単に派遣切りができるようにするためです。しかも早く「改正」しないと期限切れ…
 だから財界の意向を受けた政府は焦っているというのですが、これでは本末転倒でしょう。

 このように派遣労働者は、企業からは仕入れのモノと一緒の扱いをされているのです。
 厚労省の課長は派遣労働の本質を述べたに過ぎません。
 直接、雇用された労働者だって、その労働力を賃金というカネで買い叩いているといえば、そうなのですが、労働運動の発展がまがりなりにも解雇規制も勝ち取り、労働者の地位は戦後は向上してきました。
 法律で労働条件の最低限を定めることを憲法が要請していますが、労働者の生活を守るための労働条件を国家がきちんと後見しなければならないのは、それが国全体を支える原動力でもあるのですから当然のことです。
 ところが、財界は、大いに不満だったわけです。単純労働者などモノ扱い。使い捨てのモノにしたくて仕方がなく、この積み上げられた労働者の「既得権」をぶち壊したくて仕方がないのです。
 企業が生き残るためには生産コストを最大限に抑えることが必要だ、だから労働者は簡単に整理できる必要があり、使い捨てのモノ扱いは必然です。
 労働者が使い物にならなければ別の労働者を使えばいい。さらには生産を落とさざるを得ない場合でも余剰人員は切り捨てればいい、これが財界の発想です。
悪政競い合う民自公 国民を切り捨てる財界 日本全体がタコ部屋だ

 だから直接雇用では対応が困難なので、派遣という別の制度の枠を拡げ、既存の労働者の「既得権」を骨抜きにしてやれということです。

 労働者の切り捨てによって、労働者が餓死しようが首をくくろうが企業が生き残れれば、そのようなことは知ったことではないのです。
 社員が過労自殺しようと平然としていた和民の渡辺社長はひどいとは思いますが、それが和民の発展の原動力だったのですから、それを今さら否定はできないでしょう。たださすがにあそこまでひどくなると、企業として存続できるのかというレベルにはなりますが。

 派遣労働をみなが望んでいるんだなどと言っていた人もいます。
竹中平蔵氏は御用学者の筆頭格! 国民は正社員を望んでない!?
竹中平蔵氏の言う「7割が派遣を希望!」ってホント?
 派遣は、労働者をモノ扱いするための制度です。このような制度自体、縮小させていかなければなりません。

 そして本来、労働者のセーフティネットであるはずの生活保護。
 これについても、籾井会長の国営放送NHKはこのように報じます。
生活保護の不正受給4万件余 過去最多に」(NHK2015年3月9日)
 あたかも多くの生活保護受給者に不正があるかのような報道であり、生活保護に対するネガティブキャンペーンの1つです。

 それからもう1つ。労働者の動労条件の切り下げの手段として、残業代ゼロ法案が企まれています。
 外国人技能実習生の導入は海外から低賃金で働く奴隷の輸入の企みです。
 財界は、国内の労働者を底辺の底辺にまで叩き落とし、家畜扱いしようというものです。

 しかし、これで国全体が豊かになれるはずもありません。
 国の発展の原動力である国民を底辺のどん底に突き落とすだけの政策なのですから。

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