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自民党の「反主流派」は、なぜここまで弱体化したのか?

西川公也農水大臣が辞任した。またも政治とカネが原因だ。いま、日本の農業は、たいへんな岐路に立っている。農業規制改革は、アベノミクスの第三の矢、成長戦略における目玉のひとつだ。衰退する日本の農業を、国際競争力を持つ「産業」に変えることは重要課題なのだ。

農業改革を進めるため、安倍政権は、全国農業協同組合中央会、つまり全中に大ナタをふるった。これまで全中は、農協法に基づき、全国各地域の農協に対して会計監査・業務監査の権限を持っていた。いわば「中央集権」だったのだ。

安倍政権は、その権限を廃した。全中の支配から解放された農協は、自由な発想で、これまでできなかった改革をおこなうことができるようになった。「中央集権」から「地方自治」へ変わったのである。とはいえ、企業の農業参入や農地についての規制緩和は、いまだに進んでいない。中途半端だとする批判もある。

しかし、政府は兵庫県養父市を国家戦略特区に指定した。この地で大幅な規制緩和を実現し、企業の参入などを可能にしたのだ。まさに、未来の農業モデルといえよう。これは大いなる前進だと、僕は思うのだ。

アメリカのケリー国務長官が、来月、来日する。この来日は、TPP協定を妥結へと大きく前進させるだろうといわれている。日本の農業は、まったなしの状況なのだ。ところが、こんな大事なときに、農水大臣の辞任である。安倍首相は、林芳正さんを復帰させたのだ。

だが、西川農水大臣の問題について、党外から指摘されるまで、自民党のなかでは何ら問題になっていなかった。かつての自民党であれば、主流派に対し、反主流派、つまりは「党内野党」が存在した。だから、問題があれば、内部から厳しい批判が出たものだ。

いま、自民党は党内のチェック機能が働かなくなってしまっている。この理由は、小選挙区制の影響が大きいと僕は思っている。小選挙区では、ひとつの選挙区から当選者は1名しか出ない。「反主流」では当選できなくなっている。反主流派が声を出せなくなっているのだ。

農業は国家の根幹を成す、非常に大事な産業である。この重大な変革の時期に、もたついている余裕はないのだ。

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