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広報外交の強化 国際社会に日本の魅力を発信

「政治は信頼性をめぐる戦いになった」。ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授(元米国防次官補)は、今から四半世紀前、軍事力や経済力というハード・パワーに対して、文化や外交政策など、その国自身が醸し出すソフト・パワーの役割を指摘した。

グローバル化が進む中で、他国からの信頼は極めて重要であり、広報外交の軽視は国益を損なう。2001年の同時多発テロで、当時のブッシュ米大統領がテロとの戦いを当初、中世の「十字軍」と見立てたことなどによって、イスラム諸国の対米不信を招いたことはよく知られている。

各国とも広報外交を強化し、自国の魅力を発信するとともに、国際世論から信頼されるような対外政策を推進し、誤解を解消し、批判に反論することに全力を挙げている。

わが国では、2015年度から、外務省が「戦略的対外発信」と銘打ち、日本の魅力や主張を発信する本格的な体制を整備する。日本のソフト・パワーを総動員するものとして期待されている。

具体的には、日本に対する国際世論を分析し、対外発信をより強化するとともに、世界の主要都市に「ジャパン・ハウス」を設置し文化外交を展開する拠点を整備する。また、映像コンテンツや省エネ技術など日本の多様な魅力を売り込む。さらに、日本語教育の場を拡充し親日派・知日派を育成するほか、日本関連講座の支援に力を注ぐ。

国際社会の対日評価は決して低くはない。24カ国で実施された「世界に良い影響を与えている」国を聞く国際世論調査(英BBC放送などが実施)で、日本は5位である。米国の調査会社などが実施している「国家ブランド指数調査」でも日本は毎年上位に入っている。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、日本の魅力は「クールジャパン」(経済産業省)、「ビジット・ジャパン」(観光庁)、「和食」(農林水産省)などを通して、着実に世界の人々に届き始めている。

ただ、各分野の広報がバラバラでは効果は失われる。省庁の連携を強化し、発信力を強め、日本への信頼や好感をさらに高めていきたい。

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