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- 2011年01月05日 05:00
税についての有益な話
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またまたまた、お持ち帰りメインのエントリー(^^;)
税についてオススメの論評がこちらです。
◆法学館憲法研究所
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今週の一言
憲法理念による税制改革を
―――2009年、長年続いた自民党中心の政権から民主党中心の政権への交代がありました。まずは浦野さんに、新政権の税制改革をどのように評価されるかをお聞きしたいと思います。
(浦野さん)
税制を含めて社会を変えてほしい、という国民の期待によって政権交代がおこなわれました。いま新政権が2011年以降の税制についての検討をすすめていますが、新政権が実際にすすめてきた税制改革を検証する場合、2010年度税制「改正」大綱(2009年12月22日に閣議決定=新政権として初めての税制に関わる閣議決定)とそれにもとづく2010年度税制改定がその判断材料になります。
この2010年度税制改定では、所得税・住民税の扶養控除(16歳未満)が廃止されました。所得税・住民税の課税対象は所得の金額です。所得にはいろいろな種類がありますが、サラリーマンの収入は給与所得に区分されます。給与所得の金額は受け取った給与から給与所得控除額を控除した額です。扶養控除は、基礎控除や配偶者控除などとともに憲法25条の生存権を具体化する課税最低限を保障するものです。すでに自民党中心の政権のもとで、老年者控除や配偶者特別控除の原則廃止がなされましたが、新政権は年少分扶養控除を廃止し、庶民増税を断行したのです。
2010年度税制改定では、このほかに、特定扶養控除(16〜22歳)の高校生部分(16〜18歳)も縮小しました。また、相続税における小規模宅地等の評価減の縮小による庶民増税もはかりました。そして、税の滞納者への罰則を強化しました。
新政権は、一方で、大企業向けの法人税減税(研究開発税額控除)の2年延長、証券優遇税制の拡大・維持、住宅取得資金の非課税限度額を500万円から1500万円に拡大、など大企業・資産家減税をすすめました。
2010年度税制「改正」大綱には「納税者主権の確立に向けて」というタイトルがつけられました。そして、その中では納税者権利憲章の制定なども述べています。一見納税者の権利を守る施策が講じられるかのように見せかけています。ところが実際には庶民に対する増税をすすめ、一方で大企業・資産家減税をはかるものとなっているのです。また、円滑に徴税をしていくという名目で国民総背番号制をめざす納税者番号制度を設けたり、新たに税の取立てを強化する歳入庁の設置なども謳うものとなっています。
新政権の税制改革には極めて重大な問題点があるのです。
―――憲法理念に則った税制改革はどうあるべきでしょうか。
(浦野さん)
日本国憲法が考えている税金の取り方は、応能負担原則にもとづくものでなければなりません。税は支払能力に応じて負担するという考え方です。これは、憲法第13条(個人の尊厳、幸福追求の権利の尊重)、第14条(法の下の平等)、第25条(生存権、国の生存権保障義務)、第29条(財産権の保障)などを根拠としています。国税も地方税も、また社会保険料なども応能負担原則にもとづいて課さなければなりません。
具体的には、所得課税については、①高所得者には高い負担を、低所得者には低い負担を求める累進課税にする、②同じ所得であっても、給与などへの課税よりも利子・配当・不動産などの資産所得への課税を重くする、③最低生活費・生存権的財産には課税しない、ということが原則とされるべきです。
最近税の累進性が後退していることは重大です。所得税・法人税の累進性を強化するよう税率構造が見直されるべきです。
資産課税については、相続税の基礎控除縮小や小規模宅地の負担軽減縮小などの動きがすすんでいます。これも庶民増税となり、応能負担原則に反するものとして警戒しなければなりません。



