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税金払わないヤツは日本の道路を歩くな?- いいえ、歩いていいんです

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Ⅰ.



「我々の血税がロクに働かず怠けていて税金を納めないフリーターやホームレスなどのために使われるのは我慢ならん。税金にたかるな」「権利主張したいんならまず納税の義務を果たしてからにしろ」こういう言葉をよく耳にします。

「税金払わないヤツは日本の道路を歩くな」という言葉はこの反感を露骨に表現しています。道路はみんなの税金によって作られているのだから、税金払わないやつは使う資格無し。歩きたいなら遠慮して道の端っこでも歩け、というわけですね。これをせめてもう少し穏やかな表現に直せば「税金を払わない人間が納税の見返りの恩恵に預かろうというのは、他人のお金にたかることと同じだ」という言い方になるでしょうか。

ハシモトシのこちらの有名な発言も「道路〜」に負けず劣らずスゴイです。「国家予算から単純計算すると、日本に生きるだけで一人あたま47万円の金がかかる。 税金を払わない奴は生きる資格がない」 ここまでくると「お前は国家に対する忠誠の証を見せたのか。そうでないやつには‘国民’の資格を与えない。出ていけ!」と聞こえます。天下を往来できる許可は税金を払って国家からいただくものだという、何とも国家主義的な発想、さすが我らが大阪知事閣下です。

この「我々の血税を使いやがって」の怒りは、大概低所得者層に向かっています。何故か、有り余るほどガッポリかせいでるヤツこそもっと税金払えよ、という方向には考えが向いていかないようです。諸外国に比べると、日本はキャピタルゲイン税は凄く優遇されてるし、所得税の累進課税率だって金持ちほど優しくなっているのですが・・・。

矛先が強い者に向かわず弱い者に向かうのは、税のことに限らず、日本の世論の特徴だと思います。低所得者層ほど担税力がない一方で社会保障のお世話になる率は高いのですから、これでは社会的弱者ほど肩身が狭く生きにくい社会だといえるでしょう。

Ⅱ.



「税金を払わない人間が納税の見返りの恩恵に預かろうというのは、他人のお金にたかることと同じだ」こういう考え方をする人々は「納税は国民の義務だ。憲法がそう定めている。権利を主張するならまずこの義務を果たしてからにしろ」という言い方を好む傾向があります。

ですが、そもそも憲法とは国民の権利を国家権力の横暴から守るため国民から国家に対し権力の抑制を突きつけたものであって、国家から国民に対する要求を定めたものではありません。憲法の名宛人は国民ではなく国家なのです。

ですから、憲法は納税を国民の義務と定めてはいても、それは国家が国民に納税の義務を課し、この義務を果たした者にのみ権利行使する資格を国家が与える、というような性格のものではありません。納税が憲法上の義務であると殊更強調し、権利を主張するならまずこの義務を果たしてからにしろというのは、憲法の考え方にそぐわないと言えます。ましてや、「憲法で定められた国民の義務である納税の義務を果たさないようなやつに、生きる資格なんか無い」というハシモトシの発言は、およそ全く憲法の理解ができていないトンデモ発言です(これでも法律家なんですよね?)

また、福祉国家に於いては、税は国民生活全体が潤滑に行くよう再分配を行う目的で徴収されますから、社会的弱者、低所得者層の方により多くの分配がいくようになるのは必然です。これを許せないと言うなら、そもそも税の再分配機能じたいが許せないと言っていることになります。

Ⅲ.



その他にもこの考え方はどこが間違っていると言えるでしょうか。

この考え方には、納税の恩恵(例えば税金で作られた日本の道路を歩くこと)は自分が税金を納めたことに対する反対給付だ、という大前提があります。これは「受益者負担」の考え方です。だから税金を負担してない未納者には日本の道路をを歩くという利益を受ける資格は無い、という極論に繋がるのです。

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