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裁判員裁判で初の死刑判決は「一線を越えた」ことを意味するのではないでしょうか

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昨日裁判員裁判で初の死刑判決がでました。

国民の合意が得られないまま昨年5月に無理矢理始まった裁判員制度も1年以上たち、その存在に慣れて来た頃合いを見計らうように真打ち登場。いよいよ来るべき日が来た、という感じです。

Ⅰ.

現代社会では私人間の仇討ち、報復等の懲罰を禁じ、国民の信託を受けた国家だけが独占的に刑罰権を行使できるという仕組みを取っています。

人を長期にわたって監禁したり、時には殺したりすることを唯一正当化できるのは、刑罰においてのみです(もっとも私は死刑廃止の立場に立っていますが)

刑罰とは国家権力の生々しいむき出しの物理的な力であり、生殺与奪の死刑判決はその最たるもの。裁判員裁判で裁判員が死刑を宣告するということ。それは国家権力が、突然否応なしにくじで選ばれてしまった市井の人間に権力の重い刃を無理矢理持たせ、後ろから「殺したかったらこれで殺しても良いのだよ」と囁くことではないでしょうか。

とうとう国家権力が一般市民をして他の市民に対し死の宣告をさせたのだ、と私は感じます。

猪野亨弁護士は次のように仰っており、私も同感です。
弁護士 猪野亨のブログ
裁判員裁判 初の死刑判決 横浜地裁

(引用開始)

川上拓一氏は、『裁判員裁判の直面せざるを得ないハードルを一つ乗り越えたといえる。検察官は永山基準を引き合いに求刑し、裁判員はそれを前提にして従来の裁判と変わらない判決を出した。裁判員が冷静に判断した結果といえる。裁判員の方々には、お疲れさまと言いたい』だそうですが、無理矢理、義務として出頭させ、死刑判決にまで関与させておきながら、「お疲れさま」とは、一体、どういうことでしょうか。

 そこにあるのは、国家主義的、軍国主義的思想そのものです。  まさに「共通」の敵に向かって銃を撃てと命じ、それに国民を従わせている構図なのです。

(引用ここまで)
Ⅱ.

 家で他人事としてニュースを見るのならこんな残虐非道な犯人は死刑しかないと単純に思えても、裁判員になればそうはいきません。冷酷な犯人にも赤い血が流れており、親も友人もいるし、反省する生の姿を目の当たりにするわけですから。

 裁判員になった男性は「初めに弁護人が『極刑はやむを得ないが、被告の人間性を見てください』と言われて、これは本当に重いんだなとすごく悩みました」と振り返った上で、「何回も涙を流してしまった。今でも思い出すと流してしまう」と語ったそうです。裁判官も人の子、死刑判決を下すときはやはりその重さに悩むと聞きます。

この重荷は司法という国家権力を行使する主体である裁判官が負うべきなのであって、決して一般市民ではないはずです。

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