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最近の若い弁護士さんは法廷で起立しないで発言する

昨晩は、家庭裁判所裁判官のお話を伺う機会を得た。

このブログもご覧になって頂いているとのことなので、ちょっと書きにくいのだが、メモということで。

講演の主題は家事事件・人事訴訟一般についての幅広なものだった。しかしその裏側にはもうひとつの主題があった。新人弁護士向け講演ということで、法廷でのお作法について話してくれと主宰者側から頼まれたということである。

いくつか法廷のお作法という言い方で述べられていた指摘があったが、一番印象的だったのは、法廷で発言する時は起立しようと指摘され、起立することのメリットが説明されていたことだ。

何故驚いたかといって、学生時代から数知れず法廷を傍聴には行ったし、弁護士さんとの同席の会議も無数にあったが、一般的に弁護士さんといえば発言するとき立ち上がるというのが一種の習い性ともなっているという印象を持っていたからだ。

例えば教授会に特任教授として弁護士さんが参加した時とか、発言を求められると思わず起立して発言される方が多いし、法廷では短い発言機会でも立ち上がるのが普通の情景であった。

どうも最近の若い弁護士さんには、そうした習慣というか慣習というかが失われているようなのだ。

裁判官いわく、裁判官と当事者(側弁護士)という非対称な関係の中で、それを態度に示すことを潔しとしないといった、いわばイデオロギー的な反発から敢えて着席のまま発言するのかもしれないと。

しかし、そんな子どもじみた反応って、私達が若者だった70年代には、世間的にも良くあったが、今ではちょっとビックリするような昭和的な考え方に思える。イマドキの若い弁護士さんが突然、権威に挑戦的に振る舞うというのも、あまり想像はできない。

単に、法廷では起立して発言するのが当たり前という意識を身につける機会がないということであるとすれば、責められるのは法科大学院の教育で、もっと法廷実務に実際に触れる教育をすべきではないのかという話になる。ま、そのためには実務基礎科目が司法試験にでない、軽視する、ないしは実務基礎科目をマジメに取り組む余裕がない、という構造を何とかしなければならないのだが。

裁判官と、主宰者側の弁護士さんが上げる、起立発言のメリットは、法壇の上に座る裁判官と目線が同レベルになりアピール力が増すというものと、立ち上がっている側が発言の機会を確保していることで、相手方が途中で口を挟むのを防ぐことができるというもの。

そのメリットが説得的かどうか、法廷での経験が皆無の私には判断がつかないが、知らないうちに法廷での振る舞い方が変わりつつあることを改めて感じさせられた。

さて、昨晩の講演の最後に紹介されていた、若手弁護士さんに読んで欲しい本。割りと最近のものとしては以下のものがあった。私のTLでも話題になっていたものである。

このうち、実践 訴訟戦術―弁護士はみんな悩んでいる画像を見るは、4人の立場の異なる弁護士がそれぞれの見方をぶつける座談会方式で、悩みどころがわかるということである。

Kindle版のものとしては、以下の弁護士研修ノート: 相談・受任~報酬請求 課題解決プログラム画像を見るが紹介されていた。

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