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日本人も中国人観光客を笑えない

旧正月を迎えて中国人観光客があふれ始めると、必ず以下のような論調で語る人が出てくるのですけど、どうなんでしょうね。以下、Blogosからの転載。

中国人の「爆買い」で賑わう銀座に勝谷誠彦が苦言 「目先のカネに飛びつくと後悔しますよ」
http://blogos.com/article/106270/

番組では中国人観光客が大型バスで東京・銀在に乗り入れ、買い物にいそしむ様子を紹介。玩具店は「ものすごく助かってます。お正月がもう1回来ている感じ」と頬を緩め、ビジネスホテルも通常料金の約3万円を5万4000円に値上げしたと明かす。百貨店近くのカバン店では、毎日500個のスーツケースが完売しているという。その一方で目につくのが、彼らのマナーの悪さだ。

中国人観光客のマナーが悪いのは事実で、現在の彼らの立ち振る舞いそのものを擁護するつもりは毛頭ないという前提で、以下論を続けます。

海外における日本人観光客の評価は、持ち前の自己主張の苦手さと、キレイ好きな国民性もあって、各観光地においては歓迎される傾向の高い存在ではあります。ただ、殊にショッピング観光においては、我々日本人もあまり褒められたものではない時代が長く、今の中国からのショッピング観光客を単純に非難、ましては嘲笑的に語ることのできるような立場でもないことを忘れてはなりません。

我が国では欧米圏の超ハイブランドが人気を博した時代が長く、円高時代が背景にあったのもあり、海外に靴やバッグなどを買い求めるショッピング観光客を沢山送り出した時代がありました。

例えば当時、欧米を訪れた日本人観光客は、現地では超セレブしか利用しないようなハイブランドの本店に、ジーパンにサンダル、Tシャツといったかなり場違いな格好で観光バスを利用して団体で乗り付け、「あぁでもない、こうでもない」と大騒ぎ。また当時は、ブランドのロゴの付いた紙袋をサブバッグとして使うのが日本で流行っていたのもあって、紙袋を余計に多く入手しようと店頭でゴネまくったりしながら買い物をし、結果的に店頭からすべての商品を買いさらってゆく存在として知られていました。

欧米のハイブランド利用者からしてみると、当時の日本人の観光客は突然現れた「イナゴの大群」みたいなもので、お店の買い物環境を荒らしまくった挙句、日本人が訪れた後には商品が何も残らない。実は、この点においては日本人観光客も、特に欧米圏のセレブ層には非常に非難が多かったのですよね。

今となっては、当時のような一部のハイブランドに日本人の人気が集中するような異常状況が解消し、また日本人自体が団体旅行から個人旅行を好む形に嗜好が変化したのもあって、欧米のブランドショップやそのファンにご迷惑をかける事はなくなってきました。しかし、少なくとも我が国もかつての一時期には、そういう「恥」を世界中にまき散らしていた時代もあるわけで、現在、やっと海外旅行デビューをしたばかりの中国人観光客層(特に本土からの観光客)の惨状を見て、非常に短絡的な非難をしたり、嘲笑するのもどうかなと思うところもあります。

中国人観光客にはマナー向上を継続的に期待をすることは当然のこととして、もう少し長い目で彼らの立ち振る舞いを見守ってあげることも必要なのかなと、個人的には考えるところであります。

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