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サム・スミスとUber、そして新しい時代のマーケティングについて

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■「アンバサダー」と熱気の伝播

そして、もう一つ。

ここから、さらに踏み込んで考えるならば、僕が体験したこの一連の出来事は、社会のあり方が少しずつ変わってきていることの象徴でもあると思うのです。何度も繰り返して書いてきたことだけど、ここ10年ちょっとでメディアのあり方は大きく変わってきた。テレビやラジオや新聞や雑誌だけじゃなく、ウェブとソーシャルメディアの一般化で個人がメディアとなり得るようになってきた。

そのことで、「著名人」と「一般人」みたいな区分も、よりシームレスになってきた。マスメディアに選ばれた人だけが人前に出れる、みたいな状況ではなくなった。情報を発信できるようになった。(80年代や90年代はよくあった「あの人は今」みたいなテレビ番組が成立しなくなったのはそのせいだよね。アカウントを持って地道に活動していたら「消えた」ことにはならないわけだから)

さらに言うなら、誰かの「ファン」であることは、その人自身に知名度があるかないかは別として、すでに「発信側」になっているということを意味するようになってきた。

たとえば、サム・スミスの所属するユニバーサルインターナショナルは、昨年から「アンバサダー」という制度を始めている。
「UNIVERSAL INTERNATIONALアンバサダー」は、ユニバーサルインターナショナルのアーティストのファンの中から、ソーシャルメディアを積極的に活用し、自身の体験や関連情報を能動的に友達に伝達してくれるような「 アンバサダー」を発見・育成していく、企画です。

日頃、使用しているfacebookやTwitter、ブログ等のソーシャルメディアを通じ、所属するアーティストの各種情報を発信されている方が対象となり、アーティストのライヴやイベントに参加できたり、特別なプレゼントも貰えたり、アンバサダー限定の企画やキャンペーン情報を入手できるというような機会も提供される予定です。

ユニバーサル ミュージック 洋楽アンバサダー企画 第1弾スタート! |ユニバーサル ミュージック合同会社のプレスリリース

つまり、そういう風にメディア状況が変わってきている今の時代においては、やり方しだいで誰もが「アンバサダー」に成り得る、ということで。

よく「◯◯さんは影響力があるから」なんて言ったりするけど、影響力の有り無しというよりも、「誰かを熱量持って好きでいるかどうか」ということの方が、本質に近いんだと思う。その人に本気の熱があれば、それは少なからず、伝播する。

そういう「熱」を持った人が選ばれる時代になっている、ということだと思う。

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