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Twitterの歴史と思想、4人の創業者たちのドラマ~Twitterはどこから来て、どこへ向かうのか~【前編】

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■Twitterはどんなコミュニケーションを目指しているのか?

こんにちは、ソーシャルメディアラボの渕上です。

みなさんはTwitterを利用しているでしょうか?他のソーシャルメディアに比べると自由度の高いサービスで、特に明確なルールが規定されていません。匿名でも実名でもOK、ひとりで複数アカウントを作成可能で、つながる範囲を自分で決められる。フォローするのも自由ですし、ブロックするのも自由…など、かなり緩いコミュニティサービスだと言えるでしょう。

ところで読者のみなさまは、Twitterを考案した創業者についてご存知でしょうか?または、どういった思想やコンセプトで構築されたサービスなのかご存知でしょうか?
・・・意外と知らない方も多いのではないかと思います。これほど世界に普及しているSNSのひとつであるにも関わらず、Twitterには非常に謎が多いんですね。

そこでラボでは、このTwitterという不可思議なサービスの歴史を振り返りつつ、運営側はどんなコミュニケーションを目指しているのか、どんな思想をもってサービスを構築しているのかについて、様々な取材・インタビュー記事と書籍の情報を参考に、前後編に分けて紐解いてみました。

前編となる今回は、“Twitterの歴史と、このサービスを生み出した4人の創業者の思想や役割について”
後編では、“幾人ものCEO交代や創業者の退社を経たTwitterと、新たなスタートアップで活躍するTwitter創業者の未来について”を解説いたします。

Twitterの歴史

まずはカンタンにTwitterの歴史を振り返ってみましょう。

Twitterがサービスを開始したのは2006年3月21日。共同創業者であるジャック・ドーシーが世界で初めて投稿したことにちなみ、この日を誕生日としています。そういえば来年でちょうど10週年を迎えますね、何か大きなイベントでも開催するのでしょうか?

こちらがそのジャック・ドーシーの投稿。「今、Twttrっていうサービスを立ち上げたよ」という意味です。サービス名は後に「Twitter」に改名されました。

ちなみにTwitterはソーシャルメディアの代表のように言われていますが、Twitter社自身はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ではないと説明しています。では何と規定されているかというと、あくまで「社会的な要素を備えたコミュニケーションネットワーク」であるとのことなんです。

ただ現在では、SNSは「人と人とのつながりをサポートするコミュニケーションを促進するコミュニティサービス」を指しているため、広義でのSNSと考えて問題ないかと思います。

※参考記事:
ツイッターとは?
Twitter’s not a social network?

Twitter社の中核人物は誰?

例えばFacebookを生み出した中心人物といえばマーク・ザッカーバーグが有名ですよね。同じように、アップルといえばスティーブ・ジョブズ、マイクロソフトといえばビル・ゲイツが思い浮かぶのではないでしょうか。

では、Twitterと聞いて想像するのは誰でしょう?

・・・パッと浮かばない方が多いかもしれませんね。

2014年4月に発売された書籍「ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り」によると、Twitterの開発には4人の中心人物がいたとのことです。

エヴァン・ウィリアムズ
ブログサービスの先駆けである「Blogger」をGoogleに売却し、あっという間に億万長者となったビジネスマン。

ジャック・ドーシー
刺青を入れた無名のITオタク。Twitterのミニマムコンセプトを発案した、次世代のスティーブ・ジョブズと呼ばれる人物。

ビズ・ストーン
Bloggerというサービスに憧れGoogleに入社。後にウィリアムズを追いかけ、ストックオプションを放棄してまでGoogleを退社してTwitter創業に関わった。Twitterにおけるコミュニケーションの核を担う。

ノア・グラス
人生のすべてをTwitterに捧げたにも関わらず会社を追放され、会社の公式な創業物語からも葬り去られた共同創業者のひとり。

どうでしょう、個々の人物がもつストーリーだけでワクワクしてきませんか!?

Twitterはひとりの天才によって生み出されたサービスではなく、4人の個性も才能も出自も業績もバラバラな面々が、それぞれの特性をサービスに活かして組み立てられたもので、純然たる「創業者」は存在しないのですね。

故に、マーク・ザッカーバーグのような矢面に立つカリスマがいないのかもしれません。

参考書籍:
ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り

Twitter設計の立役者、ノア・グラスが追放されたワケ

ベンチャー企業の成長には、会社内のドロドロした人間関係がつきもの。気の合う仲間と仕事を始めたものの、大きなお金が動き、株主やステイクホルダーの思想が流入するにつれ、盤石だった人間関係や組織は次第に揺らいでいきます。

その渦中で会社を追放された、共同創立者のノア・グラス。彼は会社の創業物語にも名前が載っておらず、まさに存在していないがごとく扱われている人物です。「Twitter」というネーミングを考えたのは彼だというのに…。

アメリカの人気メディア「Business Insider」によるグラスのインタビューにてその追放劇が初めて語られたわけですが、真実ははっきりとしていません。エヴァン・ウィリアムズとの権力闘争があったとも、グラスと仲が良かったと言われているジャック・ドーシーが後ろで糸を引いていたともいわれています。

ノア・グラス追放の経緯

よく知られているノア・グラスの物語を紹介しておくと、まず彼はTwitterの前にOdeo(オデオ)というスタートアップの共同創設者を務めていました。そこに投資して共同創設者兼CEOになったのがエヴァン・ウィリアムズ

Odeoは当時、ポッドキャスティングのプラットフォーム化を目指していました。しかしAppleが先にiTunesをリリースし、Odeo社内はてんやわんやの大騒ぎに。CEOのウィリアムズは新しい事業を生み出さなければならなくなりました。

その際にグラスジャック・ドーシーが提案したのがTwitterの原型です。前述のとおり、「Twitter」というネーミングは彼の発案によるものです。コンセプトを気に入ったウィリアムズは、グラスに責任者を任せることにしました。

Twitterの虜になったグラスは、次第にこのプロジェクトを切り離して独立した会社にしたいとウィリアムズに提案するようになります。しかしウィリアムズは、Twitterを含めたOdeoの会社資産をまるごと投資家から買い上げて、社名を「Obvious」に変え、同時にグラスを解雇してしまいました。

何とも釈然としない話ですが、ウィリアムズは合理的にものを考える人だったそうで、次代のTwitterを含めたプロジェクトにグラスは不要と判断したとも言われていますが、やはり真実のところははっきりしていません。

そして、こうしたいざこざはウィリアムズドーシーの間にも起こることになるのですが、詳しくは後述します。

参考記事:
忘れ去られたツイッター共同創業者:Twitter’s Forgotten Cofounder, @Noah Glass – Business Insider
TwitterとSquareの創業者、ジャック・ドーシーとは誰か?

Twitterの理念は誰によって生み出されたのか

日本でTwitterが流行りだした当初、つぶやく内容は「◯◯なう」といった自分の状況を知らせる内容が多かったことを覚えているでしょうか。

この「自分のステイタスを公開する、自己表現としてのサービス」という思想を持っていたのはジャック・ドーシーでした。Twitter社のスローガンが「What’s Happening?(いま、なにしてる?)」だったことを記憶している方もいるでしょう。

当初、Twitterの発言ボックス上にある問いかけは、スローガン通り「いまなにしてる?」でした。

「◯◯なう」が使い方の主流だったときはよかったのですが、幅広い使い方が許されている自由なTwitter空間は、もはや自分の近況を伝えるだけでは収まらなくなってきました。

「いまなにしてる?」から「いまどうしてる?」に

2009年11月頃、この問いかけが「いまなにしてる?」から「いまどうしてる?」に変わりました。
大した違いではないように思うかもしれませんが、前者だと「自分」を中心とした投稿が思想の元になっているのに対し、後者は「自分以外の誰か」が投稿のメインとなります。

これはTwitterの設計思想上、かなり大きな変化となりました。

ちなみにこの思想を推し出したのは、エヴァン・ウィリアムズ。彼はTwitterについて「自分のことではなく他人の物語を伝えるツール」という思想を持っていました。実際の使われ方の変化もあり、彼の思想へと方向性の舵を切ったことになりますね。

そのウィリアムズに「Twitterのアイデアを生み出した天才」として賞賛され、2007年にCEOへと就任していたドーシーは、2008年10月、ウィリアムズにCEOの座を明け渡していました。これはドーシーに経営能力はないと株主たちに判断されたことが大きかったようです。

参考記事:
Twitter、魅力と成功の秘密は創業者の内部対立?「説明しづらさ」が奏功
Twitter、「いまなにしてる?」から「いまどうしてる?」へ

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