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リニア新幹線「大深度地下」工事/地盤沈下・水枯れの不安


 リニア中央新幹線の建設をめぐってJR東海が、都市部の「大深度地下」に長大トンネルを掘る計画を住民の合意もなしに進めていることが問題になっています。

住民合意ないまま推進

 リニアは、東京・品川―名古屋間の86%がトンネルで、都市部では深さ40メートルを超える大深度地下を走行します。東京都品川、大田、世田谷の各区、町田市、神奈川県川崎市を走行する約35キロメートルの区間と、名古屋市、愛知県春日井市を走行する約20キロメートルの区間です。

 大深度地下部分は、土地所有者の権利が及ばないものの、地盤や地下水への影響が指摘されており、住民への丁寧な説明と合意が不可欠です。

 ところが、JR東海が各地で開いた説明会では、明確な根拠も示さずに「地盤沈下は発生しないと考える」「地下水への影響は小さい」などとくり返すだけで、住民の不安や懸念にこたえるものにはなっていません。

 日本自然保護協会の辻村千尋主任(47)は「地下環境は未知のことが多く、実際に掘り出してみないと分からない」と指摘。「地下水への影響を調べるシミュレーション技術には限界があり、水枯れや地盤沈下が発生する可能性は大いに考えられる。精度の高い分析と徹底した情報公開を行うべきだ」と語ります。

 「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(大深度法)でも、「安全の確保および環境の保全に特に配慮しなければならない」と指摘しており、地上部の環境や住民生活に悪影響をもたらさないことが大原則です。

 大深度地下の使用については国土交通大臣の認可が必要です。JR東海は認可申請する構えですが、政府の姿勢も問われています。

 「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」共同代表の天野捷一さん(69)は「リニアは前例のない巨大開発であり、生活が脅かされる不安があります。住民の意向を無視して建設を推進することは許されません」と語っています。(丹田智之)

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