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価値を伝えるにはワクワクするストーリーがいる

3月1日に開催されるサムスンのイベントの招待状には、WHAT'S NEXT(つぎはなにだろう)のキャッチフレーズで、スプーンみたいな画像が示されています。
スプーン曲げのマジックショーでもあるのでしょうか。それは冗談として、はたしてユーザーの心に響く新しい切り口をサムスンは見せてくれるのでしょうか。

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この画像は「曲面ディスプレイ」、GALAXY Note Edgeのエッジスクリーンを連想させます。エッジスクリーンは「操作バーを表示して、画面を最大限に楽しんだり、操作の切り替えなども、よりスムーズに使いこなす」ためのサムスンからの新しい提案でしたが、操作性がよくなるという改善の域をでておらず、魅力にはつながっていません。

さて同じ延長線上でWHAT'S NEXT(つぎはなにだろう)が登場してくるのでしょうか。鍵はストーリーを描いて価値を伝えることができるかどうかだと思います。

思い起こしていただきたいのは、最初にiPhoneが登場したときに、最大の特徴であったタッチスクリーンを強力に印象づけたのは、写真を指先でどんどん変えていく映像、そして指でつまんで拡大縮小を自在にこなした映像でした。撮った写真を、そんなにスムーズで自在に扱えることが、新鮮な驚きになって、タッチスクリーンがもたらす新しい価値が伝わったのです。
しかも、新しいスマートフォンの時代がやってくることが印象づけられ、今日のスマートフォン時代の幕開けとなりました。

スティーブ・ジョブズは物語で価値を伝えることには長けた才能を持っていました。それは、もしかするとピクサー時代の経験、そのピクサーを買収したディズニーで役員を就任した経験から、その才能とか、感覚を得たのかもしれません。

もはやスマートフォンでは、製品機能そのものも、ほぼ成熟期を迎えています。ユーザーは新しい機能はさほど期待していません。機能を訴求するだけでは共感をえることが難しくなってきています。下手をすると、かえって使いづらいという逆効果をもたらす場合もでてきます。

市場は、メーカーが自らの技術を誇らしく見せるための展示会ではなく、ユーザーに価値を認めてもらえ、共感をどれだけ得ることができるかどうかの競技場なのです。

とくにハードとしてのスマートフォンが成熟してくると、その「普及」から「利用」に消費者の目は移っていきます。「利用」を広げるのはハードよりも、むしろアプリなどのソフトのほうが主役になってきます。

サムスンが、ソフトも一体として、ユーザーの心に触れ、共感を生み出す体験(コト)と目的(イミ)そして、モノ、コト、イミをつなげたストーリーを描けるのかどうかです。ただのモノづくりしかできず、コモディティ化の流れに埋没し、新興勢力のチャレンジに侵食されていくのか、はたまた新たな価値を伝えるストーリーが生み出せるのかで今後のサムスンの歩む道の分かれ道になってきます。

その鍵は、開発そのものからストーリーがあるかどうかです。

しかしこだわりが物語となり、それが価値として伝えることは、一般的には、大企業、とくに情報家電企業はあまり得意でありません。おそらくモノ価値の尺度で、機能の足し算をしていくほうが、感性や感覚の入る余地が少なく、社内のコンセンサスが得やすいからかもしれません。

その壁を破ったのがこのところの元気印のマツダではないでしょうか。ブロゴスのメルマガにそれについても書いてみました。続きはそちらでどうぞ。

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