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ベネッセホールディングス会長兼社長 原田泳幸「疫病神批判に答えよう」

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國貞文隆=聞き手・構成 門間新弥=撮影

マクドナルドは2年前から手離れ

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「進研ゼミ」の減少で営業利益も苦戦 ※ベネッセHDの決算補足資料より作成。延べ在籍数は「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」の合計。2010年3月期からは「こどもちゃれんじbaby」を含む。15年3月期は14年10月31日の上半期決算発表時の見通し。


――就任1カ月もたたない時点で個人情報流出という事故が起きました。

【原田】報告を聞いたとき、私はでんと構えるしかないと思いました。居直りとは違います。私は社長です。だから、どれだけ世間から非難を受けても、前面に立ってすべて引き受ける。これは覚悟です。このような大きな危機のときに感情的に振る舞えば、会社は終わりです。

――前職のマクドナルドも、突発的な事故から経営難に陥っています。原田さんを「疫病神」と呼ぶ声もあります。

【原田】それは大きな誤解です。私がアップルジャパンの社長を引き受けたとき、会社はすでにどん底状態でした。私はそれを知ったうえで、再建を引き受けたのです。販売店へのリベートを根本から見直し、「iMac」をヒットさせ、V字回復へ導きました。マクドナルドも、社長を引き受けた時点では、7年連続のマイナス成長で赤字転落の状態でした。私が社長になった結果、8年連続で既存店売上高プラス成長という企業に変わりました。

現在のマクドナルドの不調について、一部のメディアが私だけに原因があったかのように報じていますが、違和感を覚えます。ハンバーガービジネスは非常にスピードが速い。多くのお客さまは衝動買いで、しかも購買頻度が高い。今日気を許すと明日響く。今日しっかりやれば明日売り上げが伸びる。そういったビジネスです。米国本社から赴任してきたCOOに実務を任せてからは約2年がたっています。その事実は理解してほしいと思います。

ベネッセの場合も、今回発表した組織や社員数の適正化を含む変革の必要性は、事前に課題として認識したうえで社長の職を引き受けました。ベネッセは「進研ゼミ」に偏りすぎているんです。売り上げ全体の35%のゼミ事業が、利益の約6割を稼いでいる。このゼミ事業がダウントレンドにある。一方でゼミに代わる大きな柱の成長がまだ軌道に乗っていない。さらに度重なるM&Aで間接部門が肥大化している。これらの課題は社外取締役のときからわかっていました。

私がつくった余剰人員ではありませんが、そこに着手する。間接部門の適正化は、就任直後のロードマップに入っていました。もちろん今回の事故は予見できませんでした。これも私がつくった事故ではありませんが、いま社長である私が解決すべきものです。

――「強引だ」という声も聞きます。

【原田】変革のスピードには、本来、いろいろ選択肢がありました。残念ながら、柱であるゼミ事業がこのようになったということは、すべての変革を同時に素早く実行するしかない。だから実行した、というだけです。「トップダウンで強引だ」という声があることは承知しています。しかし、いわゆるクライシス(危機)に直面している会社のトップが、「誰がついてきて、誰がついてこないか」と心配していたら、誰もついてきません。

さらにいえば、社内外での自分のレピュテーション(評判)を考えているようでは、経営は絶対にできません。社員の顔色をうかがいながら成功している会社は、この世の中にはないでしょう。偶然ですが、私は2014年12月2日、66歳の誕生日の前日にこの組織・人事の構造改革について発表し、誕生日の今朝(3日)の新聞各紙に掲載されました。

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