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今の日本の状況でピケティが注目されるべき理由

全世界的にピケティがきているようだ。日本でも雑誌まで取り上げだして、いよいよ本番という感じだ。ダイヤモンドの方は早速チェックした。

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ただ、僕の興味は、現代日本の政策への評価というよりは、民主主義や資本主義の構造的問題の方にある。まず、どうして日本が現状の状態に陥ったのか、それは民主主義と資本主義を採用したことによる構造的なものが理由なのか、というポイントだ。そんなわけでピケティのテーマは僕の興味にぴったりなので「21世紀の資本」読まなきゃなーという気分になっていたのだが、山形浩生でさえ長いと言っていたので、ちょっとひるんでいた。そんなときにまさかの翻訳者の山形浩生氏がまとめを公開してくれた。もう翻訳者がこんなことすると、本売れないのではないかと思うが、そもそも売れにくい本だろうし、これできちんと骨子を理解する人を増やしたほうが社会的によいという判断だろうか、本当に素晴らしい。

もちろんお金も時間もあるひとは本を読みましょう。僕は読んでません!

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そんなわけで、僕の理解はあくまで上のまとめと今NHKでやっているパリ白熱教室を見た程度だが、現代社会でピケティが注目される理由がなんとなくわかったのでまとめてみる。

まず、頻繁に登場する「r>g」の意味する資本の収益率が経済成長率より大きいことが格差増大をもたらすというのは、そもそも民主主義において、フローよりもこれまでのスタックが重要となる高齢者に対する政策がどのようにあるべきかというポイントを考える土台となる。基本的には経済成長を行いつつ、格差を減らす政策が望ましいのはおそらく誰の目にも明らかだが、その政策が自分の取り分に影響を与えるとわかった途端、一気に議論は難しくなる。年金なんて、普通に考えたらこれまでもらったものを一度精算して、あらためて消費税などをベースに組み直したほうが長い目でみたら持続可能なことは誰の目にも明らかだが、すくなくとも65歳以上の人々はこれまでの掛け分よりもおおくもらえるから根本的な解決策が通らないし、なにより65歳以上の人口が有権者の半分以上になるともう民主主義的プロセスでは改革は不可能だ。これはまさに民主主義と高齢化の構造的な問題。

過去に一度それなりに大作だったけど、自分の考える日本の問題点についてまとめた。

だが、これから日本が迎えるのは、老人しか増えない社会でどのように経済を維持、もしくは軟着陸させるかという極めて困難なタスクである。超高齢化社会は、我々が選択することなく、ただそこに存在するものとして社会全体が突入する。超高齢化社会において、多数の老人が無意識的に若者から搾取を行うことになってしまうのは、多数派の意見に従うことが大前提の民主主義において正義である。正義ではあるのだが、若者は自発的にこの状態を選択したわけではなく、ただ、社会の仕組みがそうであるから搾取され、若者の未来も先細る。僕はこれは民主主義の仕様バグであると思う。

この中で「超高齢化社会において若者の未来がなくなるのは民主主義の仕様バグ」ということを自分で言っており、このあたりが僕の一番の興味のわけだが、ピケティの議論をベースに考えるとこれは「社会全体が構造的な問題を抱えている」という風に問題のランクを上げる必要があるのではないかと思う。つまり、資本主義・民主主義の通常状態は資本収束により閉塞状態に向かいますよ、ということからより積極的に格差論に話を持っていくというアイディアだ。そもそも格差の何がいけないのか、という問題は結構難しくて、これって基本的には「民主主義的な価値観と相容れない」というポイントに集約するようにおもう。

たぶん、格差の何がいけないのか、ということに関して根本的な回答はないのだが、少なくともこの部分に関してなんらかの社会正義的なコンセンサスを得ることということが重要なのではないかと思う。

そんなわけで、ブームになっているピケティ本だが、この方向性が「経済成長を重視することが格差の解消に大きな効果がある」ということ、そのなかで「格差の解消」の認識がそのまま日本の構造的な問題の認識につながっていくとしたら、これは良い流れになるのではないかと思う。しかし、道は果てしなく遠い。

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