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安倍政権の危機管理

「イスラム国」を名乗る過激派集団による邦人人質事件は、最悪の結果になってしまいました。1月20日に2人の動画が公開される以前に、政府が十分に手を尽くしていたのかどうか、私は大いに疑問です。

政府は昨年8月中旬、湯川遥菜さんが行方不明だと知り、ヨルダンの首都アンマンに現地対策本部を設置しました。同じく11月1日には、後藤健二さんも行方不明であるという連絡が入っています。しかし、安倍総理は11月21日に衆院を解散し、約1か月の政治空白をつくったわけですから、当初から危機感が欠如していたと言わざるをえません。

後藤さんの妻が犯行グループから脅迫メールを受け取ったと政府に連絡したのは、12月3日。この時点で、政府は後藤さんが何者かに拘束されていると認識したはずです。しかし、総選挙に突入したばかりの時期であり、総理のみならず菅官房長官までもが選挙応援で官邸を空っぽにしていました。この時点においてすら、政府を挙げて邦人を救出しようという姿勢がなかったことを証明しています。

歴代政権は総理が外遊したり地方遊説に出る時は、官房長官が官邸で留守を守りました。逆の場合は、総理が在京しました。特に、森政権下で「えひめ丸」事件が発生して以来、そうした態勢が危機管理上からも不文律になっていました。安倍総理は今頃になって、テロ行為に対して強い言葉で非難していますが、人質事案の初動においては明らかに危機管理意識が希薄だったのではないでしょうか。

さて、その無理筋の解散・総選挙により、平成27年度当初予算案の編成は越年になってしまい、予算案の国会提出は今週の12日となりました。

国家予算の審議は、通例では衆院・参院それぞれ約1か月ずつかけて慎重に審議されます。特に、平成27年度予算案は96兆円を超える過去最大規模のものです。しっかりと審議することこそ、国民への責任でしょう。ということは、年度内成立はそもそも困難であり、暫定予算を組むことは必至です。

ところが、与党からは年度内成立を期すという言葉が聞こえてきます。数を背景とした独善的、強行的な国会運営が行われなければいいのですが…。

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