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  • 2015年02月07日 07:29

ムカベ大統領の転倒と中国の報道

 これまでも中国の独自の報道については、いろいろ書かせてもらっております。今日は中国の独自のアフリカ外交(アメリカが「見習うことができない」中国のアフリカ戦略)に関連するものについて少し。

1 ムガベ大統領

 ジンバブエのムガベ大統領と言えば、欧米諸国では「独裁者」という認識で、90歳という高齢にも関わらず、未だに権力を離さず強権政治を行っているという印象です。

 その方がアフリカ連合(AU)首脳会議から4日に帰国し、首都ハラレの空港で、帰国を記念して演説をしておりました。ところが演説を終えて演壇から下りようとした際に階段を踏み外し、転倒してしまいました。

 問題はそのあとで、そのシーンを撮影したカメラマンの中には治安当局から写真の消去を強制された方もいたそうです。

 結果、この出来事は、ムガベ政権の強硬的な一面を強調する話として、西側では報道されたわけですが、中国では単に笑い話として報道されることとなります。

2 ムカベ大統領2

 環球網の「政要摔跤的狼狈瞬间」では、ムカベ大統領だけでなく、オバマ大統領や韓国の朴槿惠大統領が転んだ様子などが写真で紹介されており、そうしたものの1つという扱いでしかありません。

 ま、下手に検閲関係のことなど取り上げるはずもないと思ってはいたのですが、中国網に掲載されていた「穆加贝当众跌倒原因是什么?」でのムカベ大統領の紹介を見ると、「独裁者」などという話は全く出てこず、学歴や受賞歴などの如何にも公平を装った賞賛記事となっています。

 ちなみに上記記事の表題では、「転んだ原因は何?」となっておりますが、別にきちんとした理由が書いてあるわけではなく、「不小心」(不注意)とだけ報道されています。

3 アフリカ政策

 こうした報道がされる最大の理由は、中国の独自のアフリカ外交にあります。つまり「独裁者」として欧米から批判されるところと積極的に手を組んで、欧米のできない外交を展開していこうという話です。

 実際2014年8月にムガベ大統領が訪中した歳には、『人民日報』はジンバブエを中国の「良い友人、よい仲間、良い兄弟」と持ち上げたことがあります。

 そのうえで、融資・観光など様々な分野で、協力関係を結ぶこととなりました。中国側の狙いは言うまでもなく、アフリカの天然資源です。

 他にもアフリカ南部では、台湾と国交のある国々が多いため、同地域での影響力を高めるという狙いもあったかと思います。

4 最後に

 こうしたアフリカの独裁国家と中国の関係はどちらにも有利な面があるから行われているわけです(中国人を大量に送りこんで鉄道を建設する中国はアフリカの「真の友人」か?)。

 ただ、結果として、こうした妥協の結果、苦労している人がいるという話で、いろいろ思うところがありますが、ここまでにしておきたいと思います。

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