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改めて小沢一郎元代表の「党員資格停止処分」は、近代刑法の「推定無罪原則」に反する暴挙だと思う

◆海江田万里経済産業相は8月19日午前の閣議後会見で、党員資格停止処分を受けている小沢一郎元代表の処遇について、『党が持っているあらゆる力を結集してことにあたるべきだ』と述べ、党代表に選出された場合は、処分を見直す可能性を示唆したという。毎日新聞が8月19日付夕刊(記事全文は、最後に引用掲載)で報じた。
 
 民主党代表選挙に立候補の意欲を持つ国会議員が、党員資格停止処分を受けている小沢一郎元代表の処遇について発言したのは、初めてである。野田佳彦財務相、馬渕澄夫前国土交通相、鹿野道彦農水相、樽床伸二元国対委員長、小沢鋭仁元環境相らは、一切発言していない。去就を決めかねている前原誠司前外相も、公式的には何も言っていない。
 
 そのくせ、小沢一郎元代表(代表選で立候補もできず、投票権も剥奪)が、これまでに衆参合わせて240人(表部隊が180人、裏部隊が60人確保)と言われている、その「票」だけを欲しがっている。
 
 野田佳彦財務相は、「アンチ小沢」なので、小沢一郎元代表に支持を求めて頭を下げることはないだろうが、馬渕澄夫前国土交通相は、2度も小沢一郎元代表に面会して色よい返事をもらえなかったのを逆恨みして、いまは「トロイカ体制否定」と「世代交代」を叫び回っている。また鹿野道彦農水相を担ぎ上げようとしている「鹿野氏に代表選出を要請する会」のメンバーが小沢一郎元代表に面会して、支持を要請したが、このときも、お願いするばかりで「党員資格停止処分を凍結するか解除するか」については、何も言わなかったという。実に、身勝手な図々しい連中ばかりだ。この意味では、海江田万里経済産業相も、代表選前までに小沢一郎元代表の「党員資格停止処分の凍結か解除」にまで踏み込んだ発言に至っていないので、中途半端である。

◆日本は、法の支配や近代刑法の「推定無罪」原則の観点では、かなりの後進国である。冤罪事件が多いのも、それを証明している。司直に逮捕・起訴されただけで、有罪推定扱いされる。後で冤罪と分かり、無罪判決が出らといつて、名誉回復は難しく、失われた時間は返ってこない。政治家の場合は、なおさらである。何しろ多数の政敵に囲まれて権力闘争に明け暮れしているのであるから、いつ陰謀、策謀に陥れられるかわからない。政敵が米国CIAのようなスパイ組織であった場合、身の危険が一気に高まる。
 
 こうした場合、本来ならば、味方が集団密集隊形を取り、陰謀、策謀から仲間をしっかりと守らなくてはならないのに、民主党は、助けなければならない仲間を身内で処分して、座敷牢にぶち込んでしまうのである。最も情けないのは、法の支配や近代刑法の「推定推定」原則を無視して、身内だけに通用する規約や規程を振りかざして、先に処分してしまい、政敵の思うツボに嵌っていることだ。
 
 読売新聞YOMIURI ONLINEは8月18日午後7時29分、「小沢氏の党員資格停止は凍結か解除を…輿石氏」という見出しをつけて、こう配信していた。
「民主党の輿石東参院議員会長は18日の記者会見で、政治資金規正法違反での強制起訴を理由に、判決確定まで党員資格停止処分を受けた小沢一郎元代表について、『(裁判の)推定無罪の原則から言って、裁判所の判断が出る前に処分すべきでない。新しい代表の下で、党員資格停止は凍結なり解除なりすることが望ましい』と述べ、処分の取り消しを求めた。これに対し、岡田幹事長は18日の記者会見で、『だれが(代表を)やっても同じルールに従って対応することが民主党の将来にとって大切だ』と述べ、処分取り消しには否定的な考えを示した」
 岡田克也幹事長という人物は、本当に東大法学部卒の政治家なのであろうか。その経歴と政治家としての見識が疑われる。本来なら、有力な総理大臣候補者であっていいはずにもかかわらず、民主党内外のどこからも、待望論が湧き上がってこない。これが、この政治家の偽らざる姿なのである。

◆なお、毎日新聞が8月19日付け東京夕刊で、「民主党代表選:海江田氏、出馬を明言 小沢元代表の処分解除も」という見出しをつけ、以下のように配信している。
 「海江田万里経済産業相(62)は19日午前の閣議後会見で、民主党代表選への自身の出馬について問われ『そういう(出馬という)理解でよいと思う』と述べ、出馬する意向を明言した。

また、党員資格停止処分を受けている小沢一郎元代表の処遇について、『党が持っているあらゆる力を結集してことにあたるべきだ』と述べ、党代表に選出された場合は、処分を見直す可能性を示唆した。出馬の理由については『今の民主党の状況、震災以降の国の政治の状況を自分の中でよく考えた』と述べ、次期首相に求められる資質について『民主党全体をまとめていく力、基本姿勢が必要だ』との認識を示した。

海江田氏は、同日にも正式に出馬表明する見通しだったが、再生可能エネルギー固定価格買い取り法案の衆院通過が週明けにずれ込んだため、正式表明は避けたとみられる。経産相の辞任時期については『再生エネルギー法案も衆院を通過しておらず、私だけではどうすることもできない状況だ』と明言しなかった。一方、鹿野道彦農相(69)の擁立を目指す議員グループは19日午後、国会内で鹿野氏と会談し、正式に出馬を要請した。

鹿野氏は同日午前の会見で要請について『よく話を聞きたい』と述べた。出馬の意向を固めている野田佳彦財務相(54)は会見で、党内から慎重論が出ている大連立について『慎重な意見はわかるが、方向性としては大連立という大きな枠組みの中で政治の前進を描くべきだ』と改めて強調した。また、平岡秀夫副総務相(57)は同日午前、党国会議員の『リベラルの会』の会合で、脱原発などをテーマに政策論争を行いたいとして『代表選に出馬する意欲がある』と述べた。【佐藤丈一】」

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