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政府・社会に求められるテロ対策の徹底

 シリアで起きたテロリストによる人質事件は、政府・関係者の懸命の努力にもかかわらず邦人二名が殺害されるという最悪の結末となりました。犠牲となられたお二人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 「非道、卑劣極まりないテロ行為に強い怒りを覚える。許しがたい暴挙を断固、非難する」という安倍総理の発言と多くの方が思いを同じくしていると思います。

 今世紀に入り、世界各地でテロ事案が多く発生しています。

 日本人も日本の企業もグローバル化の流れの中で、世界各国を行き来し、居住している時代、そして、1300万人以上の外国人の方が訪日されている、日本だけを見てもまさにかつてなく様々なものが多様化している時代です。

 こうした経済の流れそのものは、今の経済構造から考えれば変えられないものでもあり、さらに経済の成長や暮らしの豊かさを増進することを考えれば、こうした様々な活動を続けることに萎縮する必要はないと思われますし、もしそのようなこととなれば、それこそテロリストの思うつぼです。

 まずは我々一人ひとりが常にどこにあってもリスクがあることを承知した上で、細心の注意を払いながら行動することがこの様な時代に生きる我々の大原則です。20年前のオウム真理教の集団による化学兵器テロ、2001年のアルカイダによる米国同時多発テロ、これまでの事例を考えれば、いつどこで何が起こっても不思議ではありません。

 政府としても、今判明しているテロ組織やテロ支援国、テロ国家に対して国際社会全体で対峙していくことが求められます。こうしたテロリストへの資金の流れを徹底的に遮断する、人の流れの監視を徹底するといった非軍事的な措置は、全ての国が参加しない限り効果を上げることは出来ません。そして、イスラム過激派テロ組織をその他の穏健なイスラム教徒から明確に隔離することが出来るかどうか、この点が極めて重要です。万が一にも過激派集団に1ミリでも大義を与えるようなことがあってはなりません。

 寛容、民主主義、自由といった価値は、時としてこの様なテロにたいして脆弱です。しかし、だからといって社会全体が単純な排除の論理に走れば、それは新たなテロを誘発することにもなりかねません。排除し取り除くべきはテロリストの集団であり、様々な人々の集団である宗教や民族であってはなりません。社会全体としてこの点は誤ってはならない一線であろうと思います。

 その上で、政府としては、日本と日本人と日本に暮らす人々の安全を死守するために、水際での防御の徹底、国内での監視、資金の流れの遮断、渡航の管理等を速やかに行わねばなりません。そして自国民保護の観点から、自衛隊が担うべき役割についても議論が必要です。

 また国際的な連携構築も極めて重要です。事態に世界での関心が高まっている今、速やかに日本政府が動く必要があります。北朝鮮や中国の問題でもそうでしたが、過去の教訓に鑑みれば、時間が経過すればするほど、残念ではありますが、それぞれの国の立場論が出てきて国際的な連携構築は困難になります。外交当局は「時間」と「メッセージ」に鋭敏な感覚をもって国際交渉を進めていく必要があります。

 同様のテロや犯罪行為を未然に防ぎ、新たな犠牲者を出さないためにも、迅速な対応が必要です。私も国土交通省の業務の一部という限られた範囲ではありますが、政府の一員として対応を徹底してまいります。

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