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スポーツ選手は同一賃金・同一労働か?

先日、同一賃金・同一労働に関して記事 を書いた。

同一賃金・同一労働を実現せよという声は強い。一つはより自由な労働市場を実現すること。たとえば、正社員という長期契約の解雇要件を緩和する・金銭解雇をできるようにすることによってそのことが実現するのではないかという意見だ。

だが、その記事内でも書いたように同一労働・同一賃金はそもそも言葉の定義が意味不明なので実現しないとも書いた。

また、同一賃金・同一労働が実現しない理由として年功賃金を上げる人も多い。だが、これを言ってしまうと、若手社員はおそらく賃金マイナスで働くことになってしまうだろう。少なくとも入社数年の社員は会社にとってお荷物以外の何物でもないだろうからだ…。

まあ、それはそうとして、より成果が明確なプロスポーツ選手は同一労働・同一賃金なのだろうか?

たとえば、同じセカンドを守っている選手はみんな同じ給料なのだろうか?答えはノーだろう。レギュラーの選手は同じ給料なのか?答えはノーだ。サッカーでGKはみんな同じ給料なのだろうか?答えはノーだ。

では、同じ給料であるべきだと考える人はどれくらいいるのだろうか?おそらくほぼ皆無だろう。プロ野球でセカンドを守っている人は全員どのチームでも同じ給料であるべきか。同じチームでレギュラーの選手は同じ給料であるべきか?そうあるべきと考える人は少ないだろう。

では、なぜ、プロスポーツ選手は同一労働でも給料に差があっていいのだろうか?ひとつは成果がより観察可能だからというのが答えになるだろう。たしかにそうだ。

ある球団で打率3割打っているショートの選手とほかの球団で2割しか打っていないショートの選手が同じ給料であっていいはずがない。と普通の人は考えるだろう。

だが、事実はそんな単純ではない。給料の査定は球団によって違う。まず、人気球団のほうがより多くの給料を選手に払うだろう。不公平だろうか?人気球団にたまたま入っただけなのか?だが、人気球団のほうがより高い給料・より多い観客やファンを求めて実力のある選手がそろうので競争は激しいかもしれない。あるいはメディアからネタにされやすいのでプライベートがなくなる可能性は高いだろう。

球団によってどの項目を重視するかも違うだろう。打率・守備力・出塁率・ファンへの貢献度。これによっても給料に差がついてくる。

もちろん、同じ15投手でも年棒は違ってくる。初めて15勝を上げた3年目の投手と10年目の投手の年棒はかなり違うだろう。30代で安定して10勝台を上げる投手はおそらく若手で売り出し中の選手よりもはるかに多い給料をもらっているはずだ。そのうえ、おそらく1・2年調子を落としたり怪我で成績が残せなくてもそれほど年棒は減らないだろう。これは年功の要素が加味されているからではないだろうか?

このように考えていくときわめて実績がわかりやすく評価しやすいプロ野球やその他のスポーツの世界でも同一賃金・同一労働でも同一成果・同一賃金でもないということがわかってくるのではないだろうか?世の中は多くの人が思っているよりもはるかに理不尽なのだ。もちろん、それでも各選手の年棒はある程度はその人の実力・人気・その他チームに対する貢献度を反映したレベルに落ち着いていると僕は思っている。

世の中は理不尽だし、運不運はつきものだ。市場は短期的には間違えることも多い。もちろん、社会主義よろしく労働者がX時間働いたら全部同じ賃金ですなんてできるはずがないしすでに壮大な社会実験の結果うまくいかなかったことは証明済みである。同一労働・同一賃金を実現せよと叫んでいる人たちはあまりに理想郷を求めすぎではないだろうか。

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