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悪魔の金融王、投機家ジョージ・ソロスが、ついに手仕舞い、引退表明して、地下にもぐり悪事継続か?

◆悪魔の金融王と言われてきた投機家ジョージ・ソロスが、ついに手仕舞いに追い込まれた。米国が、一定規模のヘッジファンドに対する規制を強化し、2012年までに証券取引委員会(SEC)への登録を義務付けているためで、ジョージ・ソロスが率いているヘッジファンド「クォンタム」も登録すると、資金を預かっている投資家や取引の実態などの開示しなければならず、SECからの厳しい監査を受けなければならなくなるため、これを嫌ったのである。

 このため、ジョージ・ソロスは、預かっている資金を今年末までにすべて投資家に返還して、きれいさっぱりするという。日本流に言えば、名うての博徒も、年貢の納め時というということだ。

 ただし、同じヘッジファンドでも、家族運営に限っては、規制の例外措置を受けるので、これからは、家族のベールに隠れて、秘密裏に丁半博打に専念していくつもりのようだ。

◆徳川家康の遺訓に「及ばざるは、過ぎたるよりは勝れり」という名言があるけれど、余り出来すぎるのはよくない。ジョージ・ソロスの場合、やりすぎた。ほどほどということを知らなかったのである。

 それは、2008年9月15日のリーマン・ショックで、破裂した。世界全体で400兆円から500兆円の損失が生じたと言われている。だが、実際の損失額は、不明だ。損失した者がいれば、それとほぼ同額の大儲けした者がいる。

 大儲けした場合、大儲けした者は、自分から大儲けしたとは言わない。ジョージ・ソロスも、大儲けしたとは、言わなかった。米国最大財閥ディビッド・ロックフエラーは、傘下にシティグループ、メリルリンチ、AIGのみならず、当のリーマン・ブラザーズなどが、サププライムローン組込み証券を大量に持っていたので、大損した。かたや、甥のジョン・D・ロックフェラー4世は、自らオーナーであるゴールドマン・サックスが、サププライムローン組込み証券を大して持っていなかったので損害はなく、むろし、「空売り権利付のサププライムローン組込み証券」を持っていたので、早い時期から空売りしていたので大儲けしていた。

 このリーマン・ショックで大打撃を受けたのは、米国ばかりでなく、欧州では、アイスランド、ギリシア、ポルトガルなどが危機に陥り、EU体制を根底から揺るがした。このため、米国や欧州で、ヘッジファンドに対する規制強化が喫緊の課題として意識された。

 米国では、自由主義経済堅持の立場から、規制強化に対する反対論が、根強かった。しかし、「強欲資本主義」を過度に展開して、米国経済自体を破綻させたヘッジファンドに対する批判の声が強く、米国政府も規制強化に踏み切らざるを得なくなった。

◆ところで、私は1999年6月25日付けで「国際金融資本の罠に嵌った日本」(日本文芸社刊)を上梓した。このなかで、ジョージ・ソロスについて、「第6章 世界を股にかける相場師ジョージ・ソロスの暗躍ー厚いベールに包まれて世界一元化戦略に邁進する「ヘッジファンドの帝王」と題する1章を設けて、その正体を暴くのに専念した。以後、ことあるごとに、ジョージ・ソロスに関する動きを書いてきた。ジョージ・ソロスと親しい人物としては、「ミスター円」こと、榊原英資質元財務官が代表的だから、この二人の関係についても、しつこくレポートしてきた。

 最近では、菅直人首相が今年1月、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムに出席し、その際、ジョージ・ソロスと会い、「森林保全基金設立」について、協議したと言われている。ジョージ・ソロスが、引退した後、この計画がどうなるかが、気になるところである。どうも話半分に終わりそうな気配ではある。

 それはともかく、今回のジョージ・ソロスの動きに関しては、産経新聞が詳しく報じている。他紙にくらべて、よく書いている。産経新聞msn産経ニュースが7月27日午後8時59分、「国家に勝った投資家ソロス氏 米政府のファンド規制に「白旗」」という見出しをつけて、以下のように報じた。
 「【ニューヨーク=松浦肇】世界で最も有名な投資家、ジョージ・ソロス氏が運用するヘッジファンドが年内にも投資家に資金を返還し、ソロス氏や同家族の資金運用に特化することが明らかになった。米メディアが一斉に報じた。米証券取引委員会(SEC)が新しく導入するヘッジファンド規制を回避するのが目的で、国家をも打ち負かす伝説的な投資家として知られるソロス氏だが、米政府には敗北した格好だ。米メディアなどによると、ソロス氏は320億ドル(約2兆4800億円)前後を運用しているが、外部の投資家から集めた約75億ドル(約5800億円)相当を返還するという。ヘッジファンドは規制をあまり受けてこなかったが、SECは来年春から一定額以上の金額を運用するヘッジファンドの情報開示や検査を強化予定で、ソロス氏は同規制を嫌った。先読み力がモノをいう資本市場で名声をほしいままにしたソロス氏だが、市場外の規制で『土』をつけた。1930年にユダヤ系ハンガリー人として生まれたソロス氏は、ナチスからの迫害を逃れて英米に渡った。もともとは株式のトレーダーで、外部の投資家の資金を預かる運用ビジネスを確立したヘッジファンドの先駆け。国境を超えて価格のゆがみを見つけて売り買いする『グローバル・マクロ』と呼ばれる投資を得意とし、創業以来、年20%のリターンを上げてきたという。ソロス氏の名声を決定的にしたのは91〜92年の英ポンド危機。買い介入したイングランド銀行に対抗してポンドに売りを浴びせ、欧州為替相場メカニズム(ERM)から英政府が脱退するきっかけとなった。97年のアジア危機でもタイ・バーツに売りを仕掛け、為替レートを維持したかったタイ政府に勝利した。億万長者となったソロス氏はフィランソロピー(慈善活動)にも傾倒。80年代は旧ソ連からの独立を後押しする目的で、東欧地域の教育制度などを支援した。アジア通貨危機では、マレーシアのマハティール元首相と激論を交わし、東南アジア諸国の非民主的な政治体制を批判した」

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