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「コンテンツとは、わかりそうで、わからないもの」——人を惹きつけるコンテンツのつくり方とは?

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「コンテンツとは、わかりそうで、わからないものである」

KADOKAWA・DWANGO代表取締役会長の川上量生氏が2013年に出した『ルールを変える思考法』という本を読みました。主にメディアやコンテンツにかかわる、第3章「人を惹きつけるコンテンツのつくり方」から紹介したいと思います。

本書のなかで、川上氏はコンテンツとはなにかという問いを考え続けた末に、「コンテンツとは、わかりそうで、わからないもの」という定義にたどりついたことを紹介。わかりそうで、わからないものだから気になり、記憶にとどめるという仮説を立てています。

これはコンテンツづくりに絶妙なバランスが求められることを示唆します。わかりやすく簡単なものでは、感情や知性をコミットする余白がなく、逆にわからなすぎるものでは、無関心となるからです。どのポイントにコンテンツが位置されるかで「コンテンツの大衆性」が決まると言います。

また、時代を超える普遍的な名作がなかなか存在しないことについても、時代によって「わかりそうで、わからないもの」の基準が変化するとの理由を挙げています。ニコニコ動画の価値や意味もこの定義に当てはめると説明可能です。

「コンテンツとは、わかりそうで、わからないものである」と定義すれば、そうであろうとする行為自体が、"コンテンツの目的"にもなり得るということです。(96ページ)

物語や作品を手がける作者が、コンテンツの正解や先の展開を知らないまま、創作をおこなう際には、もちろん読者もわからない状態です。これを自覚的におこなうことで、コンテンツに感情移入もできるのでしょう。

「購入後にもダイナミックに中身が変わっていくようにできるのが未来の電子書籍の姿」

コンテンツ以外にも印象的な点がいくつかありました。

まずはニコニコ動画が世の中にとっていいサービスなのかどうか確信がもてなかった時期についても触れている部分。「人間中心のサービスをつくる」というテーマを掲げてきたからこそ、コンテンツ産業の破壊や国の活力を損なうという側面について悩んだものの、ニコニコ超会議などでユーザーと実際に会うことでその熱量や活気、愛を実感できたとのこと。

また、「ブロマガ」というサービス開始にあたっては、電子書籍に可能性を感じていると記しています。静的なコンテンツ状態ではコピーされてしまうため、「購入後にもダイナミックに中身が変わっていくようにできるのが未来の電子書籍の姿」としています。

関連して、プラットフォームが優位の状態では、コンテンツホルダーにユーザー情報があまり共有されないので、結果としてコンテンツ産業の衰退を招くという問題意識も表明。そのため、ブロマガではコンテンツホルダーがユーザーとダイレクトにつながることができるよう設計したと言います。

ルールを変える思考法』の第3章「人を惹きつけるコンテンツのつくり方」を読むことで、改めてコンテンツとは何かということを考え直す機会になりました。以前、「新しいメディアが人間や環境にもたらす影響を考えるためのキーワードとは?」という記事で紹介したマクルーハンの言うところの「人間が情報で満たされていることを願うという前提がある」といった言葉もリンクするところがあったように思います。

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