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ついに大学に、文科省の"ギャップイヤー予算"が付く!

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ギャップイヤー予算の原点はGP事業

 文科省の「大学教育再生加速プログラム(略称:AP)」をご存じだろうか。これは同省の大学学部(短大、高専含む)を対象にしたGP(グッド・プラクティス)事業のレビューの中で、平成26年度(今期)に誕生した10億円規模の採択事業だ。社会が大学に期待する内容は質的・量的に過去とは大きな違いがある。例えば、大量生産・大量消費で右肩上がりの経済の時代ではなく、想定外の事象に遭遇した際に、課題解決能力は問われ、課題を抽出し、自分ごととして設定していく主体的な学生の出現を期待されている。そのためには大学は教育内容や仕組みを検討しなければならないが、個々の大学の自助努力では限界がある。そこで、過去の改革をベースにして実施される改善や進化に対しては、国はインセンティブとして、支援を継続・発展させる必要があるとの考えで生まれた競争資金だ。

ギャップイヤーには「プラン」と「プログラム」があり、今回は後者

 初年度である今期は、「アクティブ・ラーニング」「学修成果の可視化(指標モデル)」「入試改革・高大接続」の三つのテーマで大学に公募をかけて、選定した。

 そして、4月から始まる平成27年度のテーマに、新たに「長期学外学修プログラム(ギャップイヤー)」が加わることになった(予算成立を前提)。あらためて、ギャップイヤーの意味は、「親元・教員から離れた非日常下での社会体験(ボランティア、課外留学、長期の旅)や就業体験(インターンシップ、ワーホリ、アルバイト等)で、期間は3-24ヶ月」を指す。そして、若者の任意での世界一周旅行に代表される「ギャップイヤー・プラン」と、米国なら国際ボランティア機関の「Peace Corps(平和部隊、日本の青年海外協力隊の原型)」や「Teach For America」、プリンストン大学などの国際コミュニティ活動の「ギャップイヤー・プログラム」がある。

 今回のギャップイヤーの予算導入については、本欄1月12日付のJGAP代表ブログ「日本再興戦略にギャップイヤーは入り、文科省スーパーグローバルハイスクール採択校でも導入が進む」( http://japangap.jp/blog/2015/01/50300.html)でも紹介したが、昨年5月に文科省で議論していた「ギャップイヤー検討会議」の報告書を受け、同年6月に国家戦略である「日本再興戦略」に、ギャップイヤー推進の文言が入っていた。そして、今回晴れて予算が付いたという流れだ。

 上図を参考にしていただきたいが、文科省の全体予算が前年を割る中、昨年よりも増額予定だ。その意欲が伺えるが、大学がギャップイヤー・プログラム(文科省はプロジェクトと呼称)を立案する国内外での1ヶ月以上の「長期学外学修プログラム」(注1.)は、どんなものが考えられるであろうか。

ギャップイヤーは「空白」でなく、「機会」 ~失敗する体験をよしとしよう!

 例えば、国内であると、都心部の学生の「限界集落や被災地におけるボランティア活動」や「消滅可能とされる地方自治体や特色ある中小企業でのインターンシップ」などが考えられるだろう。「comfort zone(ぬるま湯的、居心地よい空間)」から抜け出し、ソフトスキルを磨いて、困難な時代に対応できるタフな人材に育ってほしいという"社会修行"のコンセプトなので、学生は大学の教室内だけでなく社会でもまれ、実体験を通して育つものという発想の共有と理解が必要だと考える。現に、ギャップイヤー帰還者が大学に戻り、卒業後、「グローバル人材」や「社会的課題解決型人材」に育っている実績がある。

 ギャップイヤーは「時間の空白」ではなく、「キャリアの機会」だ。各大学は、学生が「絶対やってみたい!」とワクワクし、チャレンジ精神を喚起すような提案をステークホルダーと協議の上、してほしい。もちろんチャレンジゆえ失敗し、鼻っ柱を折られるような体験こそ大事だという評価も忘れてはならない。

ギャップイヤーはキャリアの多様性を生む!

 ギャップイヤーが日本の大学に定着し、その素晴らしさが理解されてくると、一律に同い年の者同士の大学ではなくなり、体験したこともバラエティーに富んでくる。海外のギャップイヤー生やギャップイヤーを経験した者同士の文化や人種を超えた交流も自ずと進んでくる。それは、日本に欠けているキャリアの価値観の「多様性」が生まれる大きな契機になるのではと私は期待している。

(注1.)3ヶ月未満のギャップイヤーは、英国では mini gapと呼ぶことがある。また、2011年に日本に誕生したJGAPに1年遅れて発足した米国ギャップイヤー協会(AGA)は、2ヶ月以上をgap yearと定義している。

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