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Creative Maisonトークシリーズ 大月壮×谷口マサト×武田俊「シェアされる! ハンドメイドなエモいコンテンツの料理法」7/10:絵巻をやるなら、スマホですよね?

スマホは現代の絵巻である

谷口:もう一つ言うと、“深み”ですよね。バイラルするものって、ネコの動画でもなんでもそうですけど、結局浅い。

武田:「脊髄反射でシェアしたくなる感覚」っていうのが大きいですよね。

谷口:そうですね。それと、パッと作れた方がいいのでどうしても短いコンテンツになる。パッとウケて、パッと読まれるやつを大量に作っちゃうんですよ。でもそれは結構虚しい作業です。
 それでも一つだけ可能性があるとしたら、今スマホってすごく二極化していて、パッと見る人と、ダラダラ読む人とに分かれているということ。例えば3ページ構成の記事があるとすると、1ページ目から2ページ目に飛ぶところで半分くらいの読者が離脱するんです。でも2ページ目を読んだ人は3ページ目も大体読むんですよ。これはどうしてかというと、スマホなので気になったら延々とスクロールして読んでいく——つまり、えらく長いコンテンツを作れる可能性があって、すごく大きなタイアップコンテンツを作れる可能性だって伴ってるんです。振り返ってみれば、ケータイ小説も長いですし、ケトルの嶋(浩一郎)さんが作った鉄道のマニアッククイズみたいなもの[★]も、携帯で見てるからこそできるんですよね。実はPCよりもデカいコンテンツを作れる可能性があるんです。

★:2009年に行われたau携帯電話限定のキャンペーン「クイズ鉄道王決定戦」。鉄道に関するクイズ1000問がウェブ上で出題された(参考:au携帯電話で鉄道知識を競う「クイズ鉄道王決定戦」 – ケータイ Watch、2009年7月19日公開)

武田:なるほど。例えば一つの商品をPRするときでも、長いストーリー性を持たせて、長く見てくれているユーザーをその商品の世界観の中に引っ張り込んでいくという手法が可能ということですね。

谷口:そうですね。深いからこそ世界観を確立しやすくて、記憶に残りやすい。結果として、あとあと残りやすいものにできるんじゃないかなと思っています。
 例えば私は、スマホに最適化した現代版の源氏物語をやってみたいんですよ。読むのに1ヶ月くらいかかる、スポンサーとのタイアップコンテンツとかで。

武田:かなりヤバいです、それは(笑)。

谷口:それを提案したら結構お金も取れるし。絵巻をやるなら、スマホですよね?

大月:あぁ、確かに。

谷口:スクロールするじゃないですか、絵巻って。それに、一つの作品の中に同じ人物が何箇所も出てくる。スクロールの中で(物語が)アニメーションになってるんですよ。だからそういった手法も使えるし、「源氏物語いけるな」って思って。

武田:「LINEマンガ」でも、縦の解像って無限じゃないですか。縦読みに特化したメディアデバイスをみんなが持っているからこそできる表現をしているマンガ家さんも見かけます。デバイス環境下での最適な広告戦略と、だからこそ可能になった新しい表現が、今は生まれつつある過渡期なのかなと思っているんですけど。

谷口:そうですね。UI(ユーザーインターフェース)もPCはシンプルに作るので、それに合わせてコンテンツも短く作ってたんですよ。でもスマホの場合は長ければ長いほど良くって、延々と読めた方がいいんですよね。最初はPCの慣習で短く作って出したら、「全然短いよ」って言われたので、それからどんどん長くしていったんです。それもダラダラ読めるからですよね。そこの感覚がデバイス間で違う。

コンテンツの盗用がまかり通っている理由

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武田俊さん

武田:バイラルメディアがよく炎上したりしているのも、コンテンツの価値観がこうして変わってきている過渡期だからこそ起こっているんだろうなとすごく思っていて。

大月:そうだよね。

谷口:彼らも本当はオリジナルコンテンツを作りたいんです。私のところにもよく相談に来ますよ。ただいきなりは作れないので、どうしてもああいう盗用みたいなことになっちゃってるんですけど。

武田:大月さんはその辺の状況って、どう見てます? クリエイション、広告、メディアの過渡期に、盗用や炎上が問題になってるという。

大月:そのあたりは自分のフィールドだとは思っていなくて……すごく広告的だから。

谷口:盗用しにくいですよね。大月さんの作品は(笑)。

大月:ただ、良くはないですよね。というか面白くないというか、意味がないというか、興味がないというか……。だって、コンテンツを作るのって楽しいですよね。そういう仕事をしているから、盗用する側の気持ちはよくわからない。違う商売だなと思っています。

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※編集部注:後日、大月さんから編集部に、「アホな走り集」のキャプチャ画像がバイラル広告に無断使用されているとの情報を友人からキャッチしたとの報告があった

谷口:この間、ライターの人と話してたら、「今は記事1本でいくらか」みたいな話になって。この間、1本80円で書いてる人を見たんですよ。

大月:えぇ……それすごいですね。どういう感覚なんですかね?

谷口:その人も「何もしてない方が儲かる」って。何もしないでお金使わない方が(笑)。

武田:確かに(笑)。

大月:でも、コンテンツの盗用がまかり通るのっておそらく、コンテンツの価値が下がってるからなんでしょうね。「こんなの価値ないものだからいいじゃん」っていう。

谷口:そうですそうです。「何でもいい」っていう。さっきも話したコンテンツと広告の分離の問題でもありますよね。

8/10:江戸時代からシェアされ続けている男 へ続きます]

構成:後藤知佳(numabooks)/ 編集協力:細貝太伊朗 / 写真:古川章
企画協力:10 over 9 reading club
(2014年11月1日、la keyakiにて)

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