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『21世紀の資本』と「資本主義の終焉」について、水野和夫さんと考える

1月21日、アメリカのオバマ大統領が、一般教書演説を行った。
「一握りの者たちだけが、得をする経済を認めるのか?あるいは、努力する人々全員に、収入増と就労の機会を生み出す経済を求めるのか?」
オバマ大統領は、格差是正を大きな課題として挙げ、具体的に富裕層への増税に言及した。

アメリカのみならず、世界全体で「約4割の富をたった1%の富裕層が保有している」という統計もあるほど、格差は大きな問題となっている。オバマ大統領は、富裕層への増税によって富の再分配をはかろうとしている。しかし、それで格差の問題は解決するのだろうか。僕は、「資本主義」というシステムそのものへの疑問が湧いてくるのを押えきれないのだ。

いま、フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏の『21世紀の資本』が世界的なベストセラーとなっている。

ピケティ氏は、所得と資産の格差について膨大なデータを分析した。1970年代ごろまでに、所得と資産の格差は、いったん縮小した。ところが、1980年代ごろから再び拡大していると説明する。まさに、オバマ大統領の危機意識を裏づけているのだ。

先日、テレビ番組『激論!クロスファイア』にエコノミストの水野和夫さんをお呼びした。水野さんの著書『資本主義の終焉と歴史の危機』は、昨年から、たいへん話題になっている。

番組で水野さんは、「金融緩和と公共投資で景気が回復し、成長へ向かう筋書きは、もはや通用しない」と、アベノミクスをバッサリと斬った。さらに金融緩和も財政出動についても、やればやるほど「日本経済を一層疲弊させる可能性が高い」と指摘する。「金融緩和や積極財政で、一時的に景気が回復しても、その後バブルが崩壊すれば、途端に企業は賃金を引き下げ従業員が解雇される」だから、経済政策をすればするほど、逆効果だというのだ。

なぜ景気は回復しなくなってしまったのか。水野さんによると、「資本主義自体が終わりを迎えようとしている」ことが理由だという。これは地球上に投資するべきフロンティア(未開拓地)が、なくなったからだ、と。

かつて、世界中の資金は中国やブラジルといった新興国へ投資されていた。しかし、こうした国ぐにの経済は成長し、いまや投資する側に回ってしまった。では、別の国に投資すればいいのでは、と考えるかもしれない。例えばアフリカ諸国だ。だが、これらの国ぐにも、いずれは投資国となってしまう。つまり、投資すべき国がなくなってしまうのだ。資本主義の終焉である。

成長を見込めない、格差ばかりが広がる現在の資本主義。その後に、僕たちはどうすべきか。「ポスト資本主義」はどうあるべきか。僕には具体的な像が浮かばない。だが、現在の成長を前提とした社会システムを見直すべき時代が目前まで来ていることは、少なくとも間違いないのだ。

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