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「天皇・皇后・両陛下へのご進講」

一部新聞で報道されましたように1月13日、皇居で70分にわたり、天皇・皇后両陛下に世界のハンセン病の現状をご進講する栄誉に浴しました。両陛下はこれまでに全国12カ所の国立ハンセン病療養所と2カ所の私立病療養所すべてをご慰問されています。

私は約40年間、医療面でのハンセン病の制圧とスティグマ(汚名)や偏見、差別の撤廃といった人権面での戦いを世界で続けてきました。ご進講の中では、日本財団と笹川記念保健協力財団の活動、さらにモーターボートレースの創設から日本財団が世界で展開する人道支援活動まで、ご説明させていただき、モーターボート関係者にとっても光栄な出来事でした。

両陛下は世界のハンセン病の現状について深いご関心をお持ちでした。ハンセン病に効能のあるプロミンから、なぜ唯一ブラジルだけが今もなお制圧に成功しないのか等々、ご下問は専門的で多岐にわたりました。私が2カ月に1回、英文で発行するニューズレターで、ハンセン病に関する両陛下のご活動を紹介させていただいた記事もご覧いただきました。

ハンセン病は古くから世界に広く存在し、人々が恐れてきましたが、奈良時代に悲田院、施薬院をつくられた光明皇后の時代から現在まで、ハンセン病について、日本の皇室ほど深い関心をお持ちの方はいないと思います。

私とハンセン病の出会いは、ほぼ半世紀前の1965年、当時、韓国大使を務められた金山政英氏が父・良一を訪ね、ハンセン病患者用の病院建設に協力を要請された折、同席したのが始まりでした。父は即座に了解し、病院の完成式典では、絶望した表情の入院患者一人ひとりの手を握り、肩をやさしく抱いて励ましていました。そんな父の姿に感動し、ハンセン病との闘いを心に誓いました。

この話を申し上げると、皇后陛下は「金山さんは懐かしいお方です。あの時、韓国からハンセン病について悲しいお手紙が届きました。しかし私には何の力もございませんので、金山さんや高松宮殿下にお願いすることにしました」と、当時をしみじみと振り返られた。

私は金山大使が来訪の折、「美智子妃殿下も心配されておりますので」と付言されたことをはっきり記憶していましたが、ご進講ではあえて大使の名前だけに留めました。しかし、皇后陛下はその時の経緯をお話し下さり、今の韓国のハンセン病についてのご下問があり、「現在はほとんどおりませんが、移民労働者の中に発見されることはございます」とご説明申し上げたところ、「それはよかった」と、心から安堵なされたご様子でした。

お話をうかがううち、私の長いハンセン病との闘いが皇后陛下のお導きだったことに気付き、感動を覚えるとともに、ハンセン病との闘いに対する決意を新たにしました。

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