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ヨルダンへの飛び火

後藤さんと見られる新たな映像をみました。メッセージがヨルダン政府にハッキリと向けられていることが分かります。ヨルダンは苦しい立場です。リシャウィ死刑囚を解放することには強い反発がある一方で、ヨルダン人パイロットの解放も条件とされています。元々ヨルダン人パイロットとリシャウィ死刑囚の交換についても交渉されていたとされていますが、そこへ日本人の解放も含まれて国際問題となってしまいました。

日本とヨルダンは友好国であり、日本のODAも長年継続している以上、国民がどの程度それを認知しているかはともかく、ヨルダン政府としては重く考えていると思われます。一方で、アメリカ政府は国務省のサキ報道官のインタビューで人質の交換には否定的だとハッキリ言っています。ヨルダンに対する経済援助はアメリカがダントツであり、ヨルダンの財政事情は海外の資金援助に依存する割合も高いことから、アメリカの顔色も伺わなければなりません。どちらの意向がより重いか、当然アメリカでしょう。

そもそも、イラク戦争以来軍人、民間人ともに多大な犠牲を払っているアメリカにとって、日本の1民間人、ヨルダンの1パイロットの解放のためにイスラム国を利することなんてとんでもないという思いがあるでしょう。アメリカがヨルダンに対して交渉に応じるなと圧力をかけていてもおかしくありません。

もっとも、私はアメリカはダブルスタンダードを用いているなとも感じています。昨年5月に、アフガニスタンでタリバンに5年間拘束されていたアメリカ軍兵士のボブ・バーグダル軍曹が解放されましたが、その引換にアメリカ政府はグアンタナモ基地で拘束していたタリバン幹部5人を解放しているからです。軍人の捕虜と囚人では全く異なる(“entirely different”)とサキ報道官は言っていますが、分かりにくい論理です。

また、イスラム国が本当に人質の交換を行うのかという保証はどこにもありません。交換するなら面前で同時に行うしかなさそうに思えますが、それをどうやって担保するのでしょうか?イスラム国を支援する国家は皆無で、他の過激派組織しか支持する者はいません。従ってイスラム国の仲介者となりうる国や団体はなく、お互いの安全を保障しながら交換を行うことは極めて困難です。

よって、後藤さんの無事解放を願うばかりですが、極めて厳しい状況であると思わざるを得ません。

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