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『サムスン・クライシス』③ ポスト李健熙はどうなるのか

オーナー企業のサムスンにとって、最大のリスクは後継者問題です。14年5月、グループ総帥の李健熙さんが心筋梗塞に倒れ、経営への復帰は容易ではないと目されるなかで、創業家のプリンス・李在鎔さんに俄然、注目が集まっています。

「売り家と唐様で書く三代目」ではありませんが、三代目へのバトンタッチはスムーズにいくのでしょうか。古今東西、失敗例には事欠かないだけに、サムスンの対応が問われますよね。

世襲のリスクは、大きく分けて2つあります。一つは、「資産分割」の問題です。李健熙さんには一人息子の在鎔さん、長女の富真さん、次女の敍顯さんの3人の子どもがいますが、争いなくスムーズにいくのか。

この問題について、一昨日、昨日も登場していただいた、おなじみの張相秀さん(現亜細亜大学特任教授・元サムスン経済研究所専務)は、次のように語ります。

「サムスングループの相続税は、真偽のほどは定かではありませんが、5000億円以上が必要だともいわれていますが、創業家は、莫大な資産をもっていますから、どうにかなるでしょう。そして、当然ながら、相続税を払えば李家の資産は減るでしょうが、サムスンの資産である競争力は減りません。サムスンの経営に問題はないと思います」

むしろサムスンにとって大問題なのは、2つめのリスク。すなわち「事業承継」ですよね。2代目の李健熙さんは、激烈なリーダーシップを発揮して、87年の会長就任からわずか25年余りの間に、グループの売上高を約38倍まで増やし、グローバルトップにまで躍進させました。3代目の在鎔さんは、果たして、カリスマ経営者としての資質を引き継ぎ、サムスンをさらなる成長へと導くことができるのか。

これは、どう考えても簡単なことではありませんよね。在鎔さんは表舞台でリーダーシップを発揮する機会がなかっただけに、その実力は未知数ですね。サムスングループが、サムスン電子だけでも30万人の社員を抱える超巨大企業に成長した今日、大企業病など、これまで表面化していなかった課題に本腰を入れてメスを入れなくてはいけないでしょう。難しい舵取りが求められますね。

が、しかし、張さんはキッパリといいます。「失敗はありえないことです」と。

「李在鎔氏は、李健熙会長のようになるかもしれませんし、違ったスタイルでリーダーシップを発揮するかもしれません。経営環境も変わっていますし、組織構成員の価値観や考え方も変わっていますから、リーダーシップのスタイルも違って当然です」「在鎔氏の実力不足というのなら、足らざる力はほかで補えばいい。つまり、組織、集団の知恵をもって対応すればいい。サムスンの場合、これまでに、集団の知恵による意思決定の構図が定着しています」

詳しくは、今月24日に文藝春秋から発売される、張さんとの共著『サムスン・クライシス』をご一読ください。

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