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- 2015年01月22日 11:13
黒田総裁と岩田副総裁の責任追及に至らない本当の理由
日銀が2015年度の物価見通し(インフレ率)を1%に下方修正しました。どう思いますか?
なんて聞いても、多くの国民はなんとも思っていないでしょう、多分。日銀が2%のインフレ目標を掲げていることを知っている人も少ないでしょう。否、少なくはないかもしれません。ある程度経済に関心があれば知っているかもしれません。しかし、だからと言ってその目標が達成できなくても日銀を責めようなんて思う人は殆どいない。
よかったですね、黒田総裁と岩田副総裁。
でも、あなた方も男だったら、あっさりと今のリフレ政策が失敗したと認めるべきではないのでしょうか。
もう何度も何度も言っていることですが、岩田副総裁は、日銀当座預金残高が70-80兆円を超えれば必ずインフレ率は目標に達すると言っていたではありませんか? 短期国債などだけではなく長期国債を購入すればインフレになる、とも。
1月20日現在で、日銀当座預金残高はもう178兆円にまで達しているのです。言及していた80兆円程度を既に100兆円も上回っているのです。
岩田副総裁は、約束が実現できなかったら責任を取るとまで明言していました。何か言うことはないのでしょうか?
但し、一般の国民、或いはマスコミは、岩田副総裁に責任を取れというつもりはないようです。よかったですね。
では、何故国民は岩田副総裁等の辞任を求めないのか?
国民の最大の関心事はいつも経済にあったのではないのでしょうか? そして、そのためにはなにがなんでもデフレからの脱却が先決だったのでしょう?
そして、デフレから脱却するためには、インフレ目標値を掲げて一刻も早くマイルドなインフレを実現することが必要だった、と。
そのマイルドなインフレの実現が遠のいているのですから、誰かが責任を取らなければいけないのではないでしょうか?
にも拘らず、2015年度もインフレ率は1%程度にしかならないだろう、だなんて。よくそんなことが言えたものなのです。
どうして国民は彼らの責任を追及しようとはしないのでしょうか?
それは、インフレ目標なんてどうでもいいからです。否、むしろ、消費税増税の影響で自然に2%ほど物価が上がる状況では、それ以上のインフレが起きるとより生活が苦しくなるので物価が上がらないことを望むからなのです。
これほどまでに大きなギャップが生じている日銀と国民の認識。
私がこんなことを言うと、インフレ率が目標に達しないのは消費税を引き上げたことと原油価格の低下が起きているのでしようがないという反論が聞こえてきそうです。
では、私は言いたい。
黒田総裁は、2014年4月からの消費税増税についてだけではなく、2015年10月からの消費税増税についても実施に積極的であったではないですか?
その黒田総裁が、消費税を上げたからインフレ目標が達成できないというのであれば、それは自己矛盾です。だって、インフレ目標の達成には大した影響がないから増税は実施すべきと考えていた訳でしょうから。そうでなければ、2015年10月の消費税増税には反対していなければ態度が一貫しないでしょう?
それに、実際には2015年10月からの増税は先送りされた訳です。しかも、その増税が予定どおりに実施されることを見越した上で、昨年10月末には追加緩和策が決定されたのです。
二重の意味でおかしいではないですか。
原油価格低下の影響にしても、だから、昨年の10月末に追加緩和策を決定した訳ではないですか。それでも足りないのであれば、さらなる追加策を打ち出すのが筋ではないのでしょうか?
本当であれば、2015年度のインフレ率は1%程度どまりだなどと表明するのではなく、何としてでも目標を達成すべく追加策を打ち出すべきではなかったのではないでしょうか。
いずれにしても、国民が日銀のことを何とも思っていないから、つまり期待していないから責任を追及しようという声も出ないのです。
最後に、昨日、市場では付利の引き下げを期待する向きがあったが、それが期待倒れに終わったということについて、一言。
不利というのは、日銀当座預金の超過準備に対して付ける利息(0.1%)のことですが、これが引き下げられるのでないかとの期待があったのだとか。欧州では付利がマイナスになっていますし、付利がマイナスになると民間銀行は、それを引き出して一般企業などの貸し出しに回すのではないかという期待があるようなのですが…
でも、そんなことを日銀ができる筈がないではないですか。
何故できないのか?
それは、日銀が当座預金残高の目標値を掲げてしまっているからです。その付利が大きく引き下げられたりマイナスになったりすれば、民間銀行としては損をするので必要以上の預金は即座に取り崩してしまい…となれば、マネタリーベースの目標値達成などできなくなってしまうのです。
なんて聞いても、多くの国民はなんとも思っていないでしょう、多分。日銀が2%のインフレ目標を掲げていることを知っている人も少ないでしょう。否、少なくはないかもしれません。ある程度経済に関心があれば知っているかもしれません。しかし、だからと言ってその目標が達成できなくても日銀を責めようなんて思う人は殆どいない。
よかったですね、黒田総裁と岩田副総裁。
でも、あなた方も男だったら、あっさりと今のリフレ政策が失敗したと認めるべきではないのでしょうか。
もう何度も何度も言っていることですが、岩田副総裁は、日銀当座預金残高が70-80兆円を超えれば必ずインフレ率は目標に達すると言っていたではありませんか? 短期国債などだけではなく長期国債を購入すればインフレになる、とも。
1月20日現在で、日銀当座預金残高はもう178兆円にまで達しているのです。言及していた80兆円程度を既に100兆円も上回っているのです。
岩田副総裁は、約束が実現できなかったら責任を取るとまで明言していました。何か言うことはないのでしょうか?
但し、一般の国民、或いはマスコミは、岩田副総裁に責任を取れというつもりはないようです。よかったですね。
では、何故国民は岩田副総裁等の辞任を求めないのか?
国民の最大の関心事はいつも経済にあったのではないのでしょうか? そして、そのためにはなにがなんでもデフレからの脱却が先決だったのでしょう?
そして、デフレから脱却するためには、インフレ目標値を掲げて一刻も早くマイルドなインフレを実現することが必要だった、と。
そのマイルドなインフレの実現が遠のいているのですから、誰かが責任を取らなければいけないのではないでしょうか?
にも拘らず、2015年度もインフレ率は1%程度にしかならないだろう、だなんて。よくそんなことが言えたものなのです。
どうして国民は彼らの責任を追及しようとはしないのでしょうか?
それは、インフレ目標なんてどうでもいいからです。否、むしろ、消費税増税の影響で自然に2%ほど物価が上がる状況では、それ以上のインフレが起きるとより生活が苦しくなるので物価が上がらないことを望むからなのです。
これほどまでに大きなギャップが生じている日銀と国民の認識。
私がこんなことを言うと、インフレ率が目標に達しないのは消費税を引き上げたことと原油価格の低下が起きているのでしようがないという反論が聞こえてきそうです。
では、私は言いたい。
黒田総裁は、2014年4月からの消費税増税についてだけではなく、2015年10月からの消費税増税についても実施に積極的であったではないですか?
その黒田総裁が、消費税を上げたからインフレ目標が達成できないというのであれば、それは自己矛盾です。だって、インフレ目標の達成には大した影響がないから増税は実施すべきと考えていた訳でしょうから。そうでなければ、2015年10月の消費税増税には反対していなければ態度が一貫しないでしょう?
それに、実際には2015年10月からの増税は先送りされた訳です。しかも、その増税が予定どおりに実施されることを見越した上で、昨年10月末には追加緩和策が決定されたのです。
二重の意味でおかしいではないですか。
原油価格低下の影響にしても、だから、昨年の10月末に追加緩和策を決定した訳ではないですか。それでも足りないのであれば、さらなる追加策を打ち出すのが筋ではないのでしょうか?
本当であれば、2015年度のインフレ率は1%程度どまりだなどと表明するのではなく、何としてでも目標を達成すべく追加策を打ち出すべきではなかったのではないでしょうか。
いずれにしても、国民が日銀のことを何とも思っていないから、つまり期待していないから責任を追及しようという声も出ないのです。
最後に、昨日、市場では付利の引き下げを期待する向きがあったが、それが期待倒れに終わったということについて、一言。
不利というのは、日銀当座預金の超過準備に対して付ける利息(0.1%)のことですが、これが引き下げられるのでないかとの期待があったのだとか。欧州では付利がマイナスになっていますし、付利がマイナスになると民間銀行は、それを引き出して一般企業などの貸し出しに回すのではないかという期待があるようなのですが…
でも、そんなことを日銀ができる筈がないではないですか。
何故できないのか?
それは、日銀が当座預金残高の目標値を掲げてしまっているからです。その付利が大きく引き下げられたりマイナスになったりすれば、民間銀行としては損をするので必要以上の預金は即座に取り崩してしまい…となれば、マネタリーベースの目標値達成などできなくなってしまうのです。