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大学入試の英語、徐々に検定試験で代替!? - 渡辺敦司

今年も本格的な大学受験のシーズンが始まりました。文系・理系を問わずカギを握るのが、英語の成績です。しかし将来的には、英語の試験を行わない大学が出てくるかもしれません。英検やTOEFL、GTECといった外部資格・検定試験で代替しようという論議があるからです。

受験英語をめぐっては、以前の記事で紹介したとおり、政府の教育再生実行会議とその提言を受けた文部科学省の「英語教育の在り方に関する有識者会議」が外部試験の活用を促進する方針を打ち出し、実際に昨年12月、検定団体や教育関係者などから成る連絡協議会が発足しました。今後、具体的な活用の在り方の検討のほか、関係団体間での必要な申し合わせや調整を行うとともに、ウェブサイトで情報発信も行うことにしています。
今後ますますグローバル化する社会では、海外はもとより国内でも、英語を使う機会がいっそう増えてくることは確実です。2020(平成32)年の東京オリンピック・パラリンピックで、多くの国民がそうした時代の到来を実感することでしょう。既に高校では英語の授業を英語で行うことが基本となっていますが、審議の始まった学習指導要領の全面改訂では、2021(平成33)年度から中学校でも英語で授業を行うようにしたい考えです。そうして高校までにレベルアップした英語力をもとに、大学で本格的にグローバル人材を育てようというわけです。

しかし現在の大学入試における英語はペーパーテストが中心で、センター試験にしても簡単なリスニングを課しているだけです。高校までの英語教育では本来、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能をバランスよく育成することにしているのですが、どうしても大学入試に引きずられて授業が「読む」「書く」中心になってしまっている側面も否めません。一方で各大学に「聞く」「話す」技能を問う試験の実施を求めるには、かなりの負担を強いることになります。そこで、既に4技能を測っている外部試験を活用するのが現実的ではないかという意見が急浮上してきたわけです。
しかし各検定の等級が大学受験でどのくらいのレベルに相当するのか、5,000円から1万円というのが多い検定料負担をどうするかなど、検討すべき課題は山積しています。今のところ「外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠(CEFR=セファール)」(外部のPDFにリンク)のような国際標準と各検定の対照表を協議会で確定したい考えです。各大学では当面、それに基づいて自分の大学・学部が求めるレベルを指定し、検定結果を「みなし満点」などのように扱って英語の試験を免除するといった方向になると見られます。
こうした方式が広がってくれば、英語の試験を課さずにすべて外部試験に代替する大学が出てくるかもしれません。その場合、検定料の引き下げも課題になってくるでしょう。

中教審の高大接続答申(外部のPDFにリンク)でも、センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)でも外部試験の活用を検討するよう提言しています。中教審の委員からは、同テストで英語の出題をやめて外部試験に替えるべきだとの意見さえ出ています。

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