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小沢一郎元代表、大村秀章、河村たかし両氏は「民による本物の地方分権」の推進者として、日本を真に変える

◆「官によるニセの地方分権」と「民による本物の地方分権」−2月6日の愛知県知事選で大村秀章前衆院議員が、名古屋市長選で河村たかし前市長が勝ち、名古屋市議会を問う住民投票でも賛成が過半数を占め、市議会解散が決まった。1週間前の出来事だったが、この影響が全国各地に猛烈な勢いで波及している。

 また、大村、河村両氏が、わざわざ上京して小沢一郎元代表に会い、当選の報告とお礼の言葉を述べ、さらに菅直人首相が進めている「大増税路線」に反対して「大減税政策の推進」で意気投合し、「減税新党」を話題にしたことが報道され、中央政界を震撼させている。

◆「官によるニセの地方分権」とは、地方分権推進法案が平成7年(1995)5月15日に国会で成立したのを境に、現実味を帯びてきた「地方分権の動き」である。これは地域住民の自発的な運動として発生したものではなかった。

 旧内務省(明治19年2月26日官制〜昭和22年12月31日廃止、解体)地方局官僚が、大蔵省(現・財務省)から「権限・組織・財源」を奪い取り、テリトリー拡大を目指す大義名分として掲げられたのが、「地方分権推進」という旗印であった。本質は、大蔵官僚との覇権争いであり、この運動には、「住民参加」という発想はなかった。旧内務省は、共産党員や自由主義者などの思想犯を取り締まる悪名高き特別高等警察(特高)を持っていた役所であった。

 私は、平成7年(1995)10月25日付けで「内務省が復活する日」(サンドケー刊)を上梓し、このなかで、「いま、”闇の権力”が甦る! 『地方分権推進』を錦の御旗に掲げた”内務省復活”の巧妙な計略とは?国家支配をめぐる暗闘を徹底取材した衝撃のレポート」を世に問うた。

 地方分権推進法に「住民参加」の概念が盛り込まれたものの、あくまでも「旧内務省復活」をもくろむ「旧自治省・郵政省→総務省」の官僚主導による「上からの地方分権」であり、大蔵官僚は、「都道府県・市町村」という二重構造の地方機関への「権限と財源」を委譲を頑として拒んでいる。

 そのうえ、「都道府県・市町村」から見ると、各省縦割りの補助金行政は、依然として存続しており、自治体の手足を縛り続けている。河村たかし氏が「起債するにも総務省の認可が必要だ」と不満を漏らしているように、自治体は、旧内務省が復活したとも言える総務省管轄の下部機関として監督されている。要するに、総務省から見れば、「都道府県・市町村」は、いまでも主要テリトリーとして支配されているのである。

◆しかし、「減税」を掲げた大村秀章前衆院議員が、河村たかし前市長の当選に加えて名古屋市議会を問う住民投票で賛成が過半数を占めたというのは、「民による本物の地方分権」推進がようやく始まったことを意味しており、日本の政治史上、画期的な出来事であった。

 ところが、マスメディアのなかには、早速、この画期的な出来事に冷や水を浴びせる新聞が出てきた。読売新聞である。

 2月7日付け朝刊「総合面」(2面)で「首長新党 勢いと危うさ 河村氏完勝」−「『減税』に喝采、財源不安」「『不満の受け皿』『一過性』民主、自民」とネガティブな評価だ。ご丁寧にもこの日の「総合面」(3面)の社説は「トリプル投票 危うさ伴う愛知の劇場型政治」と題して、コテンパンにしている。

 邪推かも知れないが、これには、どうもマスメディア同士の競争が背景にあると思われる。読売新聞と中日新聞との争いだ。中日新聞は、「河村たかし番チーム」を編成して、ありていに言えば、徹頭徹尾、「河村応援団」として河村市政をバックアップしてきた。このため読売新聞は、取材について劣勢に立たされてきたのが、悔しい。次に、遠因がある。

 もう36年も前になるけれど、東京の株式会社読売新聞社(現:読売新聞グループ本社・読売新聞東京本社)は昭和49年(1974)7月31日、、大阪讀賣新聞社(現:読売新聞大阪本社)の設立に関わった竹井博友氏(埼玉新聞社長)が経営する印刷会社「名古屋高速印刷株式会社」と業務提携を結び、名古屋高速印刷は商号を「株式会社中部読売新聞社」に変更した。昭和50年(1975)3月25日に、読売新聞の東海3県に於いての発行としての形で、愛知県・岐阜県・三重県を対象地域とする「中部読売新聞」を創刊。創刊号一面には、「三県民の目となり耳となって」と題した竹井博友社長の発刊の辞が掲載された。

 要するに、煮読売新聞は、中部地域に販路を広げようと画策したのだが、地域に深く根ざした中部新聞を凌駕できず、敗北してしまう。それどころか、「新聞公正取引協議委員会」が「読売新聞の差別対価・中部読売の不当廉売」との訴えを起こし、公正取引委員会に申告した。公正取引委員会は中部読売創刊当日の1975年3月25日、「月極め500円の購読料は不当廉売の疑いがある」として緊急停止命令を東京高等裁判所に申し立てた。同年4月30日に出た東京高裁の決定では、「公正取引委員会の審決があるまで月極め812円を下回る価格で販売しない」との判決が出た(中部読売新聞社緊急停止命令事件)。これを受けて中部読売は1975年5月から月極め812円に値上げ。「販売の神様」と読売名誉会長の務臺光雄は、「中部進出は私の生涯で唯一の失敗だった」と竹井博友社長ら中部読売経営陣を退陣に追い込んだ。以後、読売新聞は、中部新聞に敵意を抱き続けており、これが、「反河村色」の強い論調として引き継がれていると見てよい。

◆もう1つ邪推をすれば、読売新聞社主だった正力松太郎が、内務省管轄下の警視庁警視庁警務部長を務めていたことも、この新聞の今日の論調に引き継がれている。正力松太郎 は大正13年(1924)1月 摂政裕仁親王(後の昭和天皇)襲撃事件、すなわち、虎ノ門事件を防げなかった責任を問われ懲戒免官。直後、摂政宮(のちの昭和天皇)婚礼により恩赦。読売新聞の経営権を買収、社長に就任している。

 また、毎日新聞 2月9日付け朝刊で「「片山総務相 トリプル投票は『邪道』」と見出しをつけて、片山善博総務相の河村たかし氏に対する批判発言を報じている。以下、引用しておこう。

 「片山善博総務相は8日の会見で、愛知県知事選、名古屋市長選、同市議会解散の賛否を問う住民投票の『トリプル投票』を、同市の河村たかし市長が主導したことについて『市長を辞めてまた出るという、やらずもがなの選挙を(知事選などと)一緒にして、いやが応でも関心をもり立てるのは邪道だ』と批判した。河村氏が掲げた市民税減税についても『(国から)地方交付税をもらっているのに変だという納税者の素朴な感情はある』と語った」

 片山総務相は、旧内務省の嫡流である自治官僚(現・総務官僚)出身である。やはり「官によるニセの地方分権」の立場に囚われていて、「民による本物の地方分権」に、拒絶反応しているようである。カエルの子は、どこまでもカエルの子なのだ。

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