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スマホ脳トレ市場にも黒船がついに襲来。いよいよ世界大戦が勃発か。 - 川合雅寛

昨日、先般より題材として上げてきたスマホ型脳トレゲーム「Brainwars」がついにリリースから約8ヶ月で1000万ダウンロードを達成した。広告費などのマーケティングにコストを一切使わないことで有名なトランスリミット社だが、ここに来て大台に載せてきた。合わせて、昨年末ようやく日本市場に本格参入してきた米Lumosity等もあり、まだまだ成長する分野である。今回は黒船の襲来についても解説していこうと思う。

■私のダウンロード数は3000万です

米Lumosityは2005年から始まった脳トレサービスで、ユーザ数は6800万会員、スマホアプリは全世界で3000万ダウンロードされているそうだ。海外では1年以上前から展開されており、元々ユーザがいたと考えてもかなりの速度で展開されている。72カ国のアプリストアの教育カテゴリで1位をとっており、こちらもモンスター級のサービスと言えそうだ。

実際に私もダウンロードして操作してみたが、導入部分が非常に丁寧であり、特にイライラするような部分もなく、すんなりと操作することが出来た。また、Brainwarsとは違って、対戦によるコミュニケーションが目的ではなく、旧来のニンテンドーDSなどで提供されてきた脳トレサービスと同室であり、個の人間の脳力を測定し、向上させることを目的にしている。

マネタイズについては月額課金モデルであり、魔法石+広告モデルのBrainwarsの真逆を行く。Lumosityは日本の会員が昨年の時点で15万ユーザとの事で、この数を6倍の90万ユーザまで引き上げることを目標としているらしい。日本のマーケットでは他国よりもダウンロード後のアクティブ率が1.5倍程高いそうで、課金ユーザを増やしたいという事であればイバラの道であるが、単純にアクティブユーザを増やすのであれば頑張ればいけるのではないだろうか。

■1000万ダウンロードの価値とは

一方、日本の怪物であるBrainwarsはどうだろうか?いつもの通り数字の比較をすると、リリースから約8ヶ月での1000万ダウンロードがどれぐらいの速度かというと、ガンホーのパズドラが13ヶ月、ミクシィのモンストが9ヶ月で達成しているため、パズドラの1.6倍の速度且つ、ミクシィの1.1倍の速度でユーザ獲得が出来た、といえるだろう。

また、ガンホーもミクシィも広告投入という技を使ったことがはっきりと数字に現れているため、マーケティングコストを使っていないトランスリミット社はユーザを集めているというよりも、勝手に「集まってきている」と言ったほうが良いのかもしれない。つまり、ゲーム機ビジネスというよりはゲームセンタービジネスに近いのではないだろうか?

世界規模のアーケードゲームがネットワークで繋がって遊べるというイメージを持ってみると、この分野の世界の広がりがよりイメージができる。実際、アプリ中の国別ランキングを見ると、S〜Dまでの5つのカテゴリの中で、Sカテゴリ以外はすべてUSAが1位であり、Sカテゴリだけ日本が1位だ。また、日本は5位以内にどのカテゴリーでも必ず顔を出している。全体の4%にしか満たない日本が頑張る姿は今も昔も変わらないようだ。

また、ダウンロード数が大台に乗ってきたため広告部分も強化されており、インタースティシャル広告が
表示され始めた。広告モデルは日次のアクティブユーザ数が増えてこないうちに展開しても役立たないため、これまでは申し訳程度のバナー広告が表示されていたが、面をとれた事により、ようやく本腰を入れたということだろう。

■スマホ脳トレ系の次の展開

スマホ系アプリは狭い画面で見せるため、そぎ落としの技術が発達し且つインターネットの特性上、場を作ることは非常に得意である。しかし、コントローラーが無いため細かい操作が苦手という負の面も存在する。そこで、スマホで培ったノウハウを元に旧来のコンソールゲームへ展開していくという流れが加速していくのではないだろうか。

すでに、任天堂のキャラである”マリオ”を使ったゲームを発売する事をパズドラは発表しており、徐々にコンソールゲーム化の流れが出来つつある。近年脳トレ系ゲームで大きく取り上げられているものは少ないため、脳トレ系が弱いがキャラクタビジネスには強い会社と組むことで、コンソールビジネスへ展開していくという流れが出来れば面白い。

ただ、業界慣習上どうしても受託開発になりがちで、業務提携による共同開発というスタンスを取れるかが課題だ。スタートアップ側としてクリア後のスタッフロールに開発○○社と表示されて終わりではなく、きちんとメディアに露出し共同開発をしているというスタンスを崩さずに行う必要がある。

スタートアップは爆速で成長する企業群であり、従来の企業との距離感も対等で行っていく必要がある。彼らは(私も含め)様々な能力の切売りを行っているわけではなく、ビジョンに基いてオンリーワンの企業を作り上げたり、次の大企業へ成長していく。たとえ契約上は受託開発であろうとも、共同開発というスタンスを取ることが明日の未来を作り上げる鍵である。

この文脈を双方が理解できないのであれば、大企業とは組むべきではない。そこを分かっている企業と上手く組めれば、ベンチャー側も大企業側も双方のビジネススキームに厚みが増していく。そして、政府主導のベンチャー支援にもさらなる発展が見込めだろう。

■プロダクトが徐々に完成に近づいたので、私の考えをご説明します
http://www.xrosriver.com/?p=2519
■僕が見ている世界とその先について
http://www.xrosriver.com/?cat=4
■家の外も中もスマートになる「IoT」が作る未来(川合雅寛 IT企業経営者)
http://sharescafe.net/42596007-20141226.html
■目指すは10億DL!怪物脳トレアプリBrainwarsの成長は更なる高みへ。(川合雅寛 IT企業経営)
http://sharescafe.net/41841657-20141111.html
■サラリーマンでも大丈夫。サンカクで経営参画できるリクルートの本気(IT企業経営 川合雅寛)
http://sharescafe.net/41593926-20141028.html

川合雅寛 クロスリバー株式会社 代表取締役社長 兼 CEO

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