記事

仏紙襲撃事件は日本にとって「彼岸の火事」である

 仏テロを追悼・抗議するデモが大きく報じられ、「対テロ対策」についての国際結束が叫ばれている。

 これを受けてきのう1月12日の日経新聞はこう書いていた。

 イスラム過激派の犯行とみられるテロは過去に日本国内でも起きており、決して彼岸の火事ではない、と。

 今度の仏テロに対する国際的結束に日本も参加するのは当然だといわんばかりだ。

 あまりにも安易で軽率な考えだ。

 「テロには屈しない」

 「言論の自由を暴力で否定することは許されない」

 それは、その通りだ。

 しかし、そのような言葉で、今度の仏テロに日本が欧米と一緒になって参加せよとでも言いたいのか。

 大きな間違いだ。

 今度の仏テロをめぐる欧米の動きは、反イスラム主義と反ユダヤ主義の終わりのない戦いである。

 それはあたかも宗教上の戦いのように見えるが、その根底にあるのは政治的思惑から生まれた不必要な争いである。

 日本にとってはまったくの「彼岸の火事」なのだ。

 見ているがいい。

 対テロ有志連合のデモはやがて矛盾に行き当たる。

 対テロ対策の国際会議は、何度開催されても効果的な対策を打ち出せないまま不毛に終わる。

 それどころか、有志連合が軍事力にまかせてテロを撲滅しようとする限り事態はますます危険になる。

 14年前に米国がイラクを攻撃しようとした時、仏と独は米国に敢然と反対した。

 国連における歴史に残る演説の応酬があった。

 いまはその仏と独が米国と一緒になって対テロ戦を叫ぶ。

 歴史は後退した。

 欧米はテロとの戦いで勝てない泥沼にのめり込んでいった。

 このままテロとの戦いを続ける限り、欧米はテロとの戦いで国を滅ぼすことになるだろう。

 テロは許せない、言論の自由は守れ、と言っているだけで十分だ。

 決して、本気になって対テロ戦争の有志連合に参加してはいけない。

 そして日本はそれに参加できない大義名分がある。

 どこの国も掲げることのできない大義名分がある。

 それが憲法9条だ。

 テロとの戦いに対抗できる唯一、最強の切り札は、憲法9条の精神を訴える事である。

 憲法9条の崇高な精神を掲げて対テロ戦争への不参加を表明するとき、文句を言える国はどこにもいない。

 テロリストさえも黙らせる大きな力がある。

 それを捨て去ろうとする為政者は愚か者の極みである(了)

あわせて読みたい

「シャルリー・エブド」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    「FIREブーム」は昭和バブル期のフリーターブームに似ている

    内藤忍

    09月18日 14:15

  2. 2

    堀江貴文「コロナ禍に資格の勉強を始める人が見落としている根本的な間違い」

    PRESIDENT Online

    09月18日 14:24

  3. 3

    先進国唯一の異常事態 「安値思考」から抜け出せない日本 - 渡辺 努 (東京大学大学院経済学研究科教授)

    WEDGE Infinity

    09月18日 10:45

  4. 4

    東京都医師会の尾崎会長 自身の医院でなぜ陽性者を受け入れていないのか

    NEWSポストセブン

    09月18日 17:04

  5. 5

    9月にバラエティが続々終了 最終回を民放各局が注視する理由

    NEWSポストセブン

    09月18日 10:08

  6. 6

    自民党政権の危機管理の失敗【2】後悔のない対策

    山内康一

    09月18日 08:43

  7. 7

    男性パートナーの得意な家事「皿洗い」に女性は不満?意識のギャップを防ぐカギは【9月19日は育休を考える日】

    ふかぼりメメント

    09月18日 08:50

  8. 8

    自民党総裁選 所見演説や記者会見等 候補者4名の中で「高市ピカイチ」

    赤池 まさあき

    09月18日 14:39

  9. 9

    仏、給食費未納問題、正しいアプローチは

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

    09月18日 12:36

  10. 10

    「河野首相だけは絶対に阻止すべし」自民党の実力者4Aが密約を交わした残念すぎる理由

    PRESIDENT Online

    09月18日 10:48

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。