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働く女性を活用し優遇すべきなのか?

先日 は、日本社会において不幸なのは男性であり女性のほうが圧倒的に幸せであると書いた。だから幸せな女性に対する優遇策は逆所得配分策と同じだという趣旨のことも書いた。

今日はもう少しこのことについて考えていきたいと思っている。働く女性と働かない女性とどちらが幸せなのだろうか。

まずはまたブロゴスから本山氏の記事を紹介したい。
専業主婦に関する5つの誤解
現在の女性活躍推進政策は、「女性が輝くのは外で雇われて賃金をもらって働くときのみである」という価値観に基づいて進められているようにも見える。しかし、「世界一、男より女が幸せな日本 」という記事で紹介したように、内閣府の調査によると、専業主婦が「現在幸せである」と回答したのが43.6%と高いのに対して、正規雇用で働く女性は25.8%と低い結果になっている。(ブロゴスより引用)
ということらしい。なるほど、専業主婦のほうが正規雇用で働く女性よりもはるかに幸せということだ。とすれば、やはり前回書いたように、「女性の活用」と銘打って女性よ働けというのは女性をむしろ不幸にしようという政策のようにしか見えない。

このことは管理職に就きたくない。専業主婦になりたいなどという各種の最近の若者への調査からでも読み取れる傾向だし、一方でゼネラリスト的な管理職になるよりもより専門的な技能を身に着けることに女性が興味があるということにも関連していそうである。

一方でアメリカの事例ではあるがNYタイムスではこんなアンケート調査があったことを以前紹介した。
働く女性は幸せか?
この表を見ると分かるが、もっともネガティブな感情を持ちやすいのは主婦。働いている子供が居る女性。子供が居ない働いている女性となる。

僕はどういう人生を選ぶかは個人の自由である。夫婦で話し合って決めればよいと思っている。政府が関与すべきでないし、子育て支援や就労支援・税控除などの制度によって特定の生き方を優遇することがあってはならないと思っている。

ただ、個人的には家電が発展して家事にかかる時間が減っている時代においては女性は働いたほうが幸せになれるだろうなあ。と思っている人間でもある。
ということだ。なるほどアメリカでは働いている女性のほうが幸せらしい。まあ、働いているほうが幸せといっても働き方は様々なので日本の正規雇用のような働き方をしている人がどれくらいいるかはわからない。また中位以上の所得の家庭では働いていても働いてくなくても幸福度はあまり変わらないらしい。

要は専業主婦が幸せか働くほうが幸せかはその時代によって地域によって、また収入の多寡によって一概にいうことはできないということだ。

だから当たり前ではあるが女性がどう生きるかは各個人の自由な選択によるべきだし、全体としての社会の流れは放っておけば必要で適切なほうに動いていくということだと思う。

しかし、もし働くことで女性がますます輝けるのであれば、むしろ働く女性を優遇することはこれまた所得の逆配分の政策になる。働く女性に多くのの育休を認めその分企業に減税するとか。手当たり次第に保育所を作るという行為は専業主婦に対する逆差別になるからだ。

GDP始終主義者にはわからないだろうが、専業主婦が家庭で生み出している付加価値はかなりのものだ。以前、最近亡くなられたG・ベッカーの本で見た古い推計だが、その付加価値はアメリカ経済でGDPの20%に相当。世界経済では40%に相当するとの推計を彼は紹介していたと思う。

それだけの高い付加価値を専業主婦は生み出している。

そして以前 から紹介しているようにGDP至上主義からはこれは意味がない。この女性の仕事を分捕って、子供を保育所で育てればGDPは増えることになるというわけだから。

たとえば実際には都内でゼロ歳児の保育にかかる費用は月50万円にも上るという。50万円以上の付加価値を働いて生み出せる女性というのは実際にはそれほど多くない。そう考えると、保育所に子供を預けてその費用を税金で負担しその分女性に働いてもらうという政策によって見かけのGDPは増えるかもしれないが、トータルで見れば経済・社会にとってマイナスの場合が多そうだというのは少し考えればわかることだ。

働くか働かないか。何が不幸か幸福かは人それぞれである。そして各人が自らの責任で選択することによってより幸福な生き方を追求していくべきだと思う。

今日こうやって少し調べながら考えただけでも何が女性にとって幸せで社会にとって最適かなどはとてもじゃないがわかりそうにない上に「女性の活用」という政策は非効率かつ不公平な可能性が高そうだ。「女性を活用」し、経済成長を。そのために税金を湯水のように使い市場経済に介入し政権の支持率を上昇させるのだ。という発想にはやはり違和感を感じざるを得ない。

そうではなくて市場や社会に対する政府の介入をできる限り減らし、人間のインセンティブ・自由をゆがめ、阻害しないような政策が行われるべきだと考えるのが真の「保守主義」だと僕は思うのだが、保守主義者を自称する安倍ちゃんにはそういった発想はまったくないようである。

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