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地方創生とは一体?① — 補正予算と地方創生

 本日9日午後の臨時閣議で平成26年度補正予算案が閣議決定された。無論、これで決まったわけではなく、今月26日から開会される方向の臨時国会に提出され、審議された上で、2月中には正式な本年度補正予算として可決成立することになる。

 その中身、昨年12月27日に閣議決定された緊急経済対策とほとんど同じ内容である、というよりこれを詳細な事項と数字(金額)というカタチで具体化したものである。当然と言えば当然であるが。

 少し細かく見ていくと、目玉として取り上げられることが多かった「プレミアム商品券」の原資となりうる「地域住民生活等緊急支援のための交付金(仮称)」は2500億円であり、突出して大きいというわけではない。

 一方、円安等を受けたエネルギーコスト対策、全体で約3600億円であるが、EV用充電ステーションの整備や地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金等であり、この段階の補正で手当てする話なのかというものが多い。補助金ということは、あくまでも補助するためのものであるから、購入・整備する設備に係る金額のn分の1を上限として支出されるといったものになる。したがって、残りの部分は購入・整備する中小企業は身銭を切るか、借り入れることになる。そこまでしてやるという中小企業はどの程度あるのか?(長期的に見てやることは否定しないが、この段階の補正でちょこっと金額を付けたところで、その効果や幾ばくのものならんや?)

 さて、地方創生関係、どの程度かというと、「地方の活性化」と銘打ってあるが、5813億円である。減額分も含めた補正予算全体で約3.5兆円のうち約7分の1。少ない額ではない。ただ、その半分以上を占めるのは「地域の産業振興等による経済の活性化」の3598億円であり、実体としては、大雑把に言えば中小企業・農林水産業対策である。例えば「ものづくり・商業・サービス革新事業」など補正で今手当すべきものなのだろうか?それ以上に、これまである措置とあんまり変らないものを地方創生(地域活性化)というパッケージに放り込んだだけのようにも見えるが。

 地方創生ど真ん中に当たる「まち・ひと・しごとの創生に向けた「総合戦略」の先行的実施」は、1982億円となっている。(ただし、「再掲事業を含めると3275億円」とある。要は他の項目に記載されているが、ここの枠でも捉えられているものも含めるということで、実質的にはど真ん中予算は3275億円ということである。)記載されているのはほとんどが交付金。本年度内という短期間で、交付金の対象となるような事業を仕立て上げ、実施することなどできるのだろうか?

 そして一番金額的に大きいのが、「災害復旧・復興加速化など災害・危機等への対応」の1兆7422億円、言うまでもなく、その多くの部分が公共事業である。ただ、ここで公共事業だからダメだと言うつもりはない。当然ここには震災復興も原発事故対応も含まれるし、昨年の大きな自然災害からの復旧に係る費用も含まれている。本年度予算編成時には想定していなかった事項であり、まさに緊急性があると言えるだろう。

 問題は「災害復旧」といったある種の美名の下に、緊急性の疑わしい事業のための予算が含まれている可能性があることである。これは震災復興の名の下に全く関係ない事業に多くの税金が使われていたことを想起すれば理解しやすい。

 さて、この政府案に対して野党側はどのような論戦を挑むのだろうか?詳細な予算書を読めばもっと課題が見つかるだろう。そうした課題や問題点を明らかにして有権者に説明し、組替えなり修正を提出して緊張感のある審議をしてもらうとともに、有権者の覚醒につなげて欲しいところである。

 今回は補正予算が閣議決定されたことを受けて、予算の観点から地方創生を論じてみた。次回は地方創生の本丸である「ひと・まち・しごと創生総合戦略」等について論じることとしたい。

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