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緊急経済対策の中身

緊急経済対策、正式には「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」が昨年末12月27日に閣議決定され、これに基づく平成26年度補正予算が9日に閣議決定される。

 この緊急経済対策の概要については前回「統一地方選はどうなる?」の中で触れたが、ここでおさらいすると、アベノミクスの「成果」を地方に広く行き渡らせるため、①現下の経済情勢を踏まえた生活者・事業者への支援、②地方が直面する構造的課題への実効ある取り組みを通じた地方の活性化、③災害復旧・復興加速化等、災害・危機等への対応に重点を置いたものである、とされている。

 その規模は、①は1.2兆円、②は0.6兆円、③1.7兆円の合計3.5兆円。これも繰り返しになるが、「プレミアム商品券」その中身の代表例として報道等では挙げられているが、それは新たな交付金の使途の方向性の一つの例であって、緊急経済対策のほんの一部に過ぎない。

 では一体どんなものがこの緊急経済対策に含まれているのか?結論から言うと、この段階で対策を打って補正を組むという必要性が疑わしい事項が盛りだくさんに含まれている。

 そもそも、補正予算は財政法第29条により、次のいずれかの場合に編成し、国会に提出することができることとされている。

①法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出(当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。)又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加を行なう場合
②予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合

非常に大雑把に言えば、後から足りなくなった場合、緊急に必要になった場合ということである。

 緊急性ということであれば、例えばエネルギーコスト対策といったものは急速な円安による資源価格の高騰への応急措置ということで理解できなくもない。また米価下落への対策といったものについてもまたしかりである。

 しかし、ここでは一つ一つ挙げないが、それ以外の事項については本年度予算で既に措置されている事項と同様の内容であり、緊急経済対策のための補正予算というより「ミニ平成26年度予算」と言った方がふさわしいような内容が補正予算に盛り込まれることはほぼ確実だろう。あえて分かりやすい例を挙げるとすれば、観光業振興、地域の魅力の情報発信の支援、人材市場の流動化、大学等における先端研究設備等の整備、高性能核融合実験装置計画の加速といったものか。なお、いずれも不要と言っているのではなく、この段階で、緊急に措置すべきものとして補正に盛り込む内容として適当でないのではないかということである。

 緊急経済対策の内容はしっかりと公表されているのでご覧いただきたい。マスコミは概要しか報道しないが、それを鍵にして、原典たる政府の公表文書に当たる。この緊急経済対策は表紙や目次を除いて、たったの15頁。ざっと概要は把握するだけなら5~10分で済む。是非読んで、そのいい加減さ緊急性のなさを理解して欲しいところである。

 次回は現政権の目玉である「地方創生」について論じることとしよう。

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