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朝日新聞は権力化し、中国漁船ビデオ流出事件の「本当の秘密」のすっぱ抜きを怠り、政府広報化している

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朝日新聞の11月17日付け社説が、おかしい。大東亜戦争最中に「大本営発表」しか報道せず、多くの将兵が、最前線で悲惨な戦いを強いられていた実態から目をそむけて、もっぱら「勝った勝った」という記事を書き続けていた朝日新聞が、復刊されたかのような論説ぶりである。

 社説には「海保映像問題―まだ流出の真相が見えぬ」という見出しがついている。まず、論説委員が、「海保映像流出」に向けて、事の本質である「秘密指定」の「判断理由」や「秘密決定過程」をまったく問題にしようとしていない。

「尖閣沖の中国漁船ビデオが流出した事件で、捜査当局は海上保安官を逮捕せずに調べを続ける方針を決めた。 自ら出頭したのに供述にあいまいな部分があり、映像を持ち出したとされる記録媒体も見つかっていない。当局内部でも意見は割れたが、様々な事情を総合判断した結果だという。忘れがちだが、捜査の基本は在宅調べで、逮捕は証拠隠滅や逃亡の恐れがある場合の手段だ。これに照らせば身柄拘束にこだわる必要はない。肝心なのは流出に至る真相の究明である」

 真相は、ビデオ映像の中身にある。だからこそ、菅直人首相も仙谷由人官房長官が、必死になって、隠そうとする。那覇地検が苦し紛れに言い分けさせられた「中国との外交関係への配慮」ばかりではない。朝日新聞は、多くの国民が疑問に思っている「秘密指定」の背後に隠されている「秘密」を暴露する責任と義務とがある。

 尖閣諸島などの領有をめぐる日中の争いは、いまや「戦争前夜」さながらと言われている。戦場現場の様子を国民に知らせなければ、大東亜戦争の戦場で何が起きていたかを隠し、玉砕部隊が増えていたのに「勝った勝った」あるいは、負けているのに「転進、転進」と言って誤魔化していたのと、何ら変わりなくなる。この「ウソ情報」を垂れ流し続けて国民を盲目状態に置いていた朝日新聞や毎日新聞などのマスメディアであった。海上保安官が、命を賭けて領土領海領空を守ろうとして現場で懸命に戦っている真実の姿を報道するのは、朝日新聞や毎日新聞などのマスメディアの最大の使命、任務、責任である。にもかかわらず、朝日新聞は、事件から40日も経て「秘密指定」されたビデオ流出に矮小化した論説を張り続けている。しかも、「海上保安庁の情報管理」に照準をあわせて、「秘密保持のまずさ」をあげつらい、朝日新聞がまるで「国家権力側」に立っているかのよな論説の仕方である。「朝日新聞は政府広報」と言われる所以である。社説は続けていう。

「海保は海上の警察組織だ。逮捕や武器使用の権限を与えられている。その機関がこの有り様では不安を覚える。ほかの重要資料の保管はどうなっているのか。データを扱う体制と意識の見直しはもちろん、管理業務にかかわる者の責任も厳しく問われよう」

◆菅直人政権が、保身のみを図り、失政を重ねていると、国民不満は高まり、放置しておくと、5・15事件(1932年=昭和7年=5月15日に起きた大日本帝国海軍の青年将校を中心とする反乱事件。武装した海軍の青年将校たちが首相官邸に乱入し、当時の護憲運動の旗頭ともいえる犬養毅首相を暗殺)や2・26事件(1936年=昭和11年=2月26日から2月29日にかけて、 日本の陸軍皇道派の影響を受けた青年将校らが1483名の兵を率い、「昭和維新断行・尊皇討奸」を掲げて起こしたクーデター未遂事件である。事件後しばらくは「帝都不祥事件」といわれて真相が隠され、報道されなかった)のような事件が起こる素地がつくられる。マスメディアが、果たさなければならないのは、真実を伝え、詳しく解説することである。しかるに、社説は、こううそぶく。

 「海保への疑問が増す一方で、保安官の行為を支持する声が一部に広がっている。安倍晋三元首相がメールマガジンで、「勇気をふるって告発した保安官」を励ましたのはその一例だ。だがこれはおかしい。政府の方針が自分の考えと違うからといって、現場の公務員が勝手に情報を外に流し始めたら、国の運営はどうなるか。保安官の行いは、法律で保護される内部告発の要件を満たしてもいない。称賛したり英雄視したりするのは間違いだし、危険なこと甚だしい。保安官は『一人ひとりが考え判断し、行動してほしかった』との声明を出したが、いったい何を意図したものか」

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