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原油価格下落を「サウジの陰謀」とする議論の馬鹿馬鹿しさ

最近の原油価格の下落を「サウジの陰謀」とする議論がありますけど、それはコミカルな議論だと思います。データを検証すると、この議論に根拠はありません。

先ず原油の需給が崩れた最大の原因は、アメリカ国内におけるシェールオイルの油井の急増が原因です。

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生産を見ると、サウジはここ数年、1,000から1,100万バレル/日の間で安定的に生産を続けてきました。一方アメリカは6年前の678万バレル/日から一挙に1,000万バレル/日に激増しています。

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サウジアラビアは国庫の収入の89%を原油に依存しています。また医療が無料であるなど、様々な社会福祉プログラムは原油からの収入に依存しています。そのようなばらまき政策をやっている関係で、政府が財政均衡させるためにはバレル当たり95ドルの原油価格が必要です。つまり税収が大幅にショートすると社会が転覆するリスクがあるのです。

一方、原油生産から上がる税収は、米国政府にとって全く重要ではありません。いや、米国経済全体にとって、原油価格の下落はGDP押し上げ要因です。

原油価格の先行きを占う際、我々が注視しなければいけないのは、最大のスイングファクター(変動要因)となっている米国でのシェールオイルのリグカウントであり、サウジではないのです。

その北米ロータリー・リグ・カウントは、若干、下がっているけれど、未だ「焼け石に水」程度です。つまり生産調整にはまだまだ長い時間がかかるということです。

むしろ世界の産油国は原油価格の下落で予算未達になる分、生産を加速させることすら考えられます。これは古典的な「囚人のジレンマ」です。

僕が原油や原油株をボトム・フィッシングしたくない理由はここにあります。因みに原油価格の下値目標ですが、「半値、八掛け、二割引き」なら34ドルということになります。向こう数年から5年くらいかけて、最終的にその水準まで、蛇の生殺しみたいな、のたうちまわる修羅場が展開されると思います。

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