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中国陸軍は水陸両用機械化師団を増強中

中国陸軍が水陸両用機械化歩兵師団(AMID)を増強しています。
PLA doubles size of Amphibious Mechanized Infantry Division(2015/1/4 Want China Times)
焦点は、台湾や南シナ海での能力向上ですね。

これまでAMIDは、南京軍区と広州軍区に2個師団(第31集団軍第91機械化歩兵師団と第42集団軍第163機械化歩兵師団)配されており、総計2万6千~3万人の兵員がいました。2007年から2012年の間に、第31集団軍第86機械化師団(南京軍区・福建省連江)と第41集団軍第123機械化師団(広州軍区・広西省貴港)がAMIDに改編され、兵員総数は5万2千~6万人へと倍加。各AMIDは、3個戦闘群と水陸両用輸送車両を最大で300両を配備しているようです。

◇ ◇ ◇

中国はすでに世界有数の揚陸部隊を持っています。しかし、中央軍事委員会が短・中期的に大規模上陸作戦を想定していないこともあり、垂直的な強襲揚陸作戦能力はまだ不十分です。過去20年、この点における近代化は着実に進んできましたが、大半の新型艦が旧型艦と入れ替わったために、総合的な搭載量が大きく増えたわけではありません。現時点で可能な揚陸戦力は2個師団ほどで、この数字は台湾への上陸作戦を行うにはまったく足りないとされています。台湾侵攻にはノルマンディー上陸作戦ほどの規模の揚陸部隊が必要だという話もあるくらいです。

台湾でいうなら金門島や馬祖島、ベトナムやフィリピンとの関係でいうなら南シナ海の小島を占有することくらいのことはできるかもしれませんが、航空機施設の不足した揚陸戦力では、中国沿岸から離れた珊瑚島などへの作戦は困難で、東アジアを離れた長距離遠征作戦や人道支援・災害救援活動(HA/DR)といった非伝統的安全保障任務を行う上でも問題があります。アデン湾の海賊対処任務などでかなり経験を積んでいることも事実ですが。

『Want China Times』の記事でも触れられている通り、陸軍の4個AMIDと約2万人の海軍陸戦隊と合わせれば、数字の上での揚陸能力は高まるのは当然です。ただ、陸軍のAMIDと海軍陸戦隊の統合指揮システムはまだありませんし、各AMIDが所属する軍区の指揮をバラバラに受けるといった点などは、揚陸作戦という複雑な任務をこなすうえで大きな障害となっています。

さらなる揚陸能力向上のためには、歩兵ではなく、むしろロジスティクスや航空支援といった面での補強が必要で、南シナ海の環礁を要塞化していることなどは、中国もそうした弱点を認識してのことだと思われます。

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