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インターネットが「インターネット」であるために

皆さんを始めとして、多くの人々が日常使っているインターネットというネットワークは、いったい誰がどのように管理しているのでしょうか。普段は殆ど意識することがない課題かもしれませんが、年の初めに、インターネットガバナンスの現状について改めて考えてみたいと思います。

メディア等で目立って取り上げられることはありませんが、ここ数年インターネットガバナンスのあり方に関するグローバルな議論が活発に行われており、Yahoo! JAPANはそこにも参画しています。インターネットは本来、誰でも自由に接続ができ、意見や情報を発信することができるグローバルで共通な環境であり、そのような参加への障壁の低さや情報のオープンな流通こそが、活発な経済活動や自由な表現活動などの国のかたちの根幹を支える価値をもたらしています。皆さんが意識することなく使っている様々なサービスが国境を超えて提供されているのも、国内外の人々と自由に交信ができるのも、世界中の情報を探すことができるのも、インターネットが「開かれたネットワーク」としてグローバルにつながっているからこそです。

しかし、自らにとって不都合な情報をコントロールしたい国々や人々は、国が管理・介入することができる権限を持つべきだという意見を主張し続けています。加えて、新興国からは、インターネットという資源は先進国に牛耳られていると主張しており、そのため各国が等しくガバナンスに関与できるようにすべきだという主張がなされています。

そういった主張は、例えばAPEC(Asia Pacific Economic Cooperation:アジア太平洋経済協力)の中の会議においてロシアがWeb 3.0という名称を使って、国境を超えた電子的な文書の交換のために統一した法律的な枠組みを持つことを提案をしようとしたり、ITU(International Telecommunication Union:国際電気通信連合。電気通信に関する国際連合の専門機関)において、各国政府を法的に拘束する国際電話についての規則である国際電気通信規則(ITR)の適用範囲をインターネットに拡張するという提案として持ち出されたり、国際連合の「開発のための科学技術委員会」の下でインターネットの公共政策課題についての協力強化を検証するためのワーキンググループの設置という形で持ち出されたりしてきています。

そして2014年4月には、サンパウロでブラジル政府が主催してインターネットガバナンスに関する原則および今後のあり方について議論を行う会議(NET mundial)が開催されました。また、Internet Governance Forum(IGF)がどのような役割を担っていくべきかについても議論がなされています。一方で、これまで米国商務省の下でIANA(The Internet Assigned Numbers Authority)が担ってきたドメイン名管理などがICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)に委ねられようとしており、インターネットガバナンスのあり方が動こうとしています。

これらの動きは、皆さんが日々使っているインターネットという社会的インフラの基盤に影響を及ぼす可能性があります。もし、インターネットが国ごとに分断されてしまったらどうなるのでしょうか。国境を超えて様々なサービスが提供されており、情報のやり取りや通信も国境を超えて自由に行われています。それが止まってしまうようなことがあって良いはずがありません。また、インターネットにアクセスすることや利用することに料金やスピードなどの点で制約が大きくなってしまったらどうなるのでしょうか。我が国におけるユビキタスな環境を支えているインターネットがもたらしている恩恵が享受できなくなってしまうかもしれません。それが良いはずはありません。

表立って取り上げられることが少ない課題ですが、今年は、インターネットがグローバルで自由なデータ流通を可能とする「インターネット」であるためにインターネットガバナンスのあり方に、どう貢献できるかを考え続けていく一年にしたいと思っています。

ヤフー株式会社執行役員社長室長
別所 直哉

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