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もしも政治家が年賀状を出せたら?(閑話休題)

日本郵便株式会社は、毎年元旦の年賀状(正式には年賀郵便物)の配達数をプレスリリースで公表しています。今年の配達数は約18億1,000万通で、前年比マイナス1.2%となっています。また、年賀状の発行枚数も2003年以降ずっと減少傾向となっています。日本郵政がユニバーサルサービスを第一義に掲げている根拠は本業中の本業の郵便事業ですから、郵便局もさぞ危機感を募らせていることと思います。年賀状が減っている原因は一体なんでしょうか?

IT技術の普及によりメールやLINE、SNSなどで充分ということもあるでしょう。そもそも年賀状に限らず、日本郵便のデータによれば郵便物自体の数が減っていることが伺えます。しかし、私はIT技術の普及だけでなく、個人情報保護法の影響が大きいのではないかと思っています。というのも、年賀状の発行枚数が減少し始めた2003年がまさに個人情報保護法が成立した年なのです。今から10年以上前ですが、当時は社会が非常に大きく混乱したことを今も覚えています。

それまで、職場の社員の住所録などは気軽に手に入れることができ、年賀状を送るのも簡単でした。しかし、今は同じ職場でも、その責任者でない限り職員の住所を把握しているということはまずないのではないでしょうか?ルール以前に常識として浸透している感があります。

その結果、年賀状を送りたくても送れず、仕方がないのでメールやSNSで済ますという行動様式になっているのだと思います。これは年賀状に限らず、いわゆる「お手紙」全般に言えることだと思います。

果たしてこれを打開する策はあるのでしょうか?私自身の立場からして強く主張するものではありませんが、あくまでも可能性の一つとして、政治家が年賀状を送れるようにすれば劇的に変わると思っています。実は多くの方はご存知ありませんが、政治家は有権者に対し年賀状や暑中見舞いを送ることが公職選挙法147条の2によって禁止されています。法律の条文にしっかりと「年賀状」、「暑中見舞い」と明記されている以上回避しようがありません。「寒中見舞い」も同様です。法的に出せないのです。

この条文が追加されたのは平成元年なので、それ以前は一般的な文書違反(いわゆる投票依頼や売名行為に該当するものは選挙の事前活動となり違反という意味)の制約はあったものの、禁止はされていなかったわけです。この条文を再び削除したらどうなるでしょうか?政治家は競争戦略上年賀状を競って送ることになるでしょう。「あの人から来たのにこの人からは来なかった」というそしりを受けたくないためです。

その結果、大幅に年賀状の流通枚数は増えるものと予測されます。あくまでも机上の空論として、国会議員が一人当り2万枚、都道府県議会議員が1万枚、市区町村議員が3,000枚、都道府県知事が2万枚、市区町村長が1万枚年賀状を出すと仮定します。総務省の平成25年のデータによると、国会議員の定数が717人、都道府県議会議員が2,735人、市区町村議員が31,741人、都道府県知事が47人、市区町村長が1,742人なので、それぞれ掛け合わせると、約1億5,500万枚になります。年賀状発行枚数に占めるシェアは4.7%で、日本郵便の増収は80.7億円にも上り、あながち無視できない数字であると思います。日本郵政も毎年の政策制度要望に真面目に取り入れて見てはいかがでしょうか?

なお、私は年賀状の費用に税金が投入されるようなことはとても国民の理解を得ることは出来ないと思いますので、別途政治資金規正法で充当してはならないと合わせて改正すべきでしょう。

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