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新内閣発足、株価は内閣支持率に連動する - 飯島 勲

「支持率に一喜一憂しない」は嘘である

いつの時代であっても、内閣支持率が高くても低くても、政権幹部は「支持率に一喜一憂しない」というが、実際には少なからず気にしている。いや、かなり気にしている。なぜならマスコミ各社が毎月実施する支持率調査が、官邸のリーダーシップの強さに大きな影響を及ぼしてしまうからだ。

政治の「3つのム」(内務、外務、財務)は、それぞれに強いリーダーシップを必要としている。

まず内務。安倍内閣のもとで、日本はデフレ経済から脱却しつつある。民主党政権時代、日本はデフレのどん底にあった。日経平均株価は8000円台にまで落ち込み、為替も1ドル75円台の超円高。民主党政権の約3年間で株価は約30%ダウンしている。これは国民の総資産の3分の1が失われたという意味でもある。これでは日本経済が上昇に転じるはずがない。ようやく、野田内閣の末期、安倍晋三総理が自民党総裁選に勝利したときの記者会見でインフレターゲットを明言したときから株価が上昇に転じた。安倍総理の就任後はアベノミクスで日経平均が1万3000円くらいに回復すると期待していたのだが、実際には1万5000円を超えるまでになった。

株価は内閣支持率に連動するものだ。日々の細かい動きを追えば食い違うこともあるが、年間を通して大きな流れを見れば、高支持率の政権のときには株価は上昇し、経済も好転して財政状況も回復するものだ。たとえば、小泉内閣の5年5カ月で株価は68%アップした。安倍政権もこれに続くだろう。

次が外務だ。今、世界情勢は混沌としている。中東では、エジプト、シリアの政情不安、イスラエルによるパレスチナのガザ地区攻撃、イラクではイスラム教過激派組織「イスラム国」台頭による内戦状態。日本はこれらの緊張状態が高まっている地域にエネルギー供給のほとんどを頼らざるをえない状況だ。一方、アジアでは中国の暴走が止まらない。ヨーロッパもウクライナとロシアをめぐる問題には解決の糸口が見えない。EU圏内でも、フランスでは経済の低迷などからオランド大統領の支持率が17%にまで低迷、内閣改造に追い込まれた。本来なら、ここで「世界の警察」として米国が調整役として登場するところだが、2期目でこちらも支持率が低下するオバマ大統領にはそんな力はない。

政治の本質と支持率の関係性

こうした中で、就任から1年8カ月で47カ国を訪問した安倍総理の存在感は国際的にも高まっている。短期間にこれだけ多くの国の首脳との会談を行ったリーダーはほかにいない。しかし、外交のために総理が日本を離れることができるのも、高支持率あってこそだ。外務は国民の懐と直結しないため、よっぽどの大きなニュースがない限り、支持率は回復しない。支持率が低い状態では人気取りのために国内での活動に専念しなくてはいけないのだ。

財務についていえば、破たんしかけた財政状況をどのようにコントロールしていくか。これも支持率が高いことが条件となる。

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小泉内閣の平均支持率

支持率が右肩上がりのグラフになることはありえない。小泉内閣は、5年5カ月の平均支持率が50%に達しているが、今振り返ってみれば、ちょっとしたことで支持率は上がったり下がったりしていた。総理大臣首席秘書官だった私は、国民がどんなときに内閣を支持するのか、支持をやめるのかについて、常に考え、内密にモニターチェック(数十名のグループに総理大臣の演説や答弁を聞いてもらい、いいと思った箇所、悪いと思った箇所で挙手してもらう等)を行った。そしてその調査で、総理が自信満々に言い切ったときにこそ、国民は喝采を送っていることなどがわかった。

言い方やキャッチフレーズは、政治の本質ではないという人がいる。私もその通りだと思うが、支持率で政権基盤が簡単に揺らいでしまう以上、支持率の獲得と本質的な政治議論の両方を現代政治では追わなくてはいけないのが現実だ。

そんな難しい時代にあって、安倍総理と菅義偉官房長官は、将来のための不人気政策を実行し、かつ国民の信頼も得られる稀有な政治家である。この2人が舵取りをしていることに日本の幸運を感じると同時に、私のすべてを尽くして応援していきたいと決意を新たにした。

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