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「ニッチ狙い」「素人活用」「ガチ感」——テレビ東京がおもしろい理由

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2014年12月の総選挙時には「池上彰の選挙スペシャル」がいつものように話題となったテレビ東京。「ゴッドタン」や「YOUは何しに日本へ?」「逆向き列車」などエッジの利いた比較的新しい番組もあれば、「TVチャンピオン」「ASAYAN」などの素人の才能発掘系の番組も昔にはありました。

放送は終わっていますが、個人的に最近好きだったのは「藤原竜也の一回道」です。素の姿のみにフォーカスしたなんともいえないゆるさと行き当たりばったり感が好きでした。さて、このような話をするのは、雑誌『ケトル』のVOL.22を読んだからです。テレビ東京を特集した号でした。

「『コンテンツ』を生むのはクリエイターではなく、素人である」

冒頭にはライター・速水健朗氏による「最新コンテンツビジネスはテレ東に学べ」という企画。「すき間狙い」「素人の活用」という2つを追求したテレ東のコンテンツづくりが、いまのネットやコンテンツ市場でも重要になってくるのでは、という内容で、テレ東50年史などもまとめられていて勉強になります。

「『コンテンツ』を生むのはクリエイターではなく、素人であるという時代」としてTVチャンピオンなどを例示。しかし、テレビ以外のメディアも影響力を持ち出しているなか、低予算を余儀なくされていた状態こそが重要だったという見方も紹介されています。 

加えて、かつて放送免許の審査のために一定期間、全番組の内容を当時の郵政省に報告するジムがあったため、きわどい内容の番組にも「視聴者を啓蒙・教育すること」を結びつけていた経緯もあり、このこともおもしろい番組づくりに寄与しているようです。

「今までに見たこともないような切り口で勝負したいっていう野心があるよね」

また、空港で外国人をつかまえ密着ロケをおこなう「YOUは何しに日本へ?」の紹介ページでは、番組づくりの大変さも語られています。

現場をよく知る水野亮太ディレクターによると、「オンエアできるのは30分の1。ゴールデンで放送するためには10組ほど必要なので、毎回300組以上は取材している計算になる」そうです。(29ページ)

撮影部隊は3名と少なめで、空港からの密着に向けてスピード感を重視しているとのこと。このライブ感やガチ感はテレ東らしさにもつながっていますね。

本誌のなかでは、テレ東で番組を持っていた著名人らのインタビューも多々掲載されています。なかでも水道橋博士が語るテレ東の魅力が印象的でした。

テレビって共同作業だから合議制じゃない。だから最大公約数になっていくもんだけど、テレ東はスタッフもタレントも予算もないところでアイデアをふり絞るからディレクターの個性も反映するし、番組に独自の匂いもある。社風のドキュメンタリー精神を受け継ぐと思う。今までに見たこともないような切り口で勝負したいっていう野心があるよね。テレビ界の辺境にいるからこそニッチで比類なきスタンスを貫けるんだろうね(35ページ)

この点はウェブメディアにも通じるところがありそうです。バイラルやキュレーションが盛んになると既視感のあるコンテンツや同じようなフォーマットを多く目にします。そのような状況のなかで、「今までに見たこともないような切り口」や「辺境にいるからこそのニッチさ」、そして「独自の匂い」といったこと意識するウェブメディアが輝くようになるのではないでしょうか。

切り口については、「出没! アド街ック天国」の紹介ページでも担当プロデューサーが「ニーズよりも切り口を大切にしている」と語っています。もちろんある程度は意識するものの、視聴者が求めるニーズに振り回されないようにしているそうです。

このほかにも「モヤモヤさまぁ〜ず2」プロデューサーの伊藤隆行氏と「ゴッドタン」プロデューサーの佐久間宣行氏の対談も収録されています。2人の考えるこれからのテレ東なども語られていておすすめです。

お金の配分を変えることで見たことない番組を生む

この特集を読んでいるなかでNHK出版のサイト「ジレンマ+」でテレ東についての記事を読んだことを思い出しました。

テレビ東京制作局プロデューサー・ディレクターの高橋弘樹氏へのインタビューを通じて、テレビ東京がなぜおもしろいのかという話に触れられています。関心ある方はぜひご覧になってみてください。

高橋 僕は、特別変わったことをしているわけではないと思うんですが、「お金の配分を変える」ということは意識しています。

(中略)

高橋 今まで企画をやってきた中で大きいなと思うのは、金のバランスを変えるということは、テレビ東京の番組作りの上で重要なことで、これがよくテレ東らしい、テレ東らしいと言わることの根本なのではないかなと思っています。簡単に言うと、何かを大胆に削って、何かを大胆に増やすということです。うちは予算が少ないので、やむにやまれぬ理由で出てきた手法なのですが、見たことない番組を作るためのヒントになるんじゃないかな、という気はしています。

今、テレ東が面白い理由―低予算が生む違和感とガチ感:高橋弘樹 | 考えた | ジレンマ+

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