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核時代という紀年法を使うことを考えてよいのではないか。

核時代という紀年法を使うことを考えてよいのではないか。

 私は、年賀状に、「核時代後」という紀年法を使っている。昨日、大晦日の夜、PCのなかを調べてみたところ、この年号を、ここ20年ほど使用してきたことがわかった。しかし、それがどういうきっかけでそうなったかがわからない。昨日のエントリに「核時代という年号について」という文章を書いたのちに、それが気になりだした。

 こういうときはネットワークのありがたさである。WIKPEDIAに「哲学者芝田進午が提唱したヒロシマ紀元」とあり、鹿野政直さんの『日本の近代思想』(岩波新書)に芝田氏の見解が引用されていることを知った。晩聲社の和多田進氏が鈴木邦男氏にだした手紙から引用する。

 「芝田進午は、日本でヒロシマ紀元を提唱してきた哲学者である。」「哲学者としての芝田は、『核時代の新しい哲学』の樹立をめざした。『それは一党、一派、一宗教、一世代、一階級、一民族の哲学ではなく、人類の哲学でなければならない』」と考えていた。……そんな「芝田進午の教えを受けた和多田進は、出版社である晩聲社の代表である。刊行する書物に『核時代』という年の表記を入れ始めた。第一号は一九八七年末に出版の小関智弘『鉄を読む』であった。奥付には『核時代四二年(一九八七年)一二月二五日初版第一刷』と入れた」ということである
(『メルマガ北海道人』22回、和多田進・鈴木邦男10年目の往復書簡、13回。http://www.hokkaido-jin.jp/mailmagazine/mm_bn2.php?no=22#03)。

 私は国際キリスト教大学の出身なので、ベトナム戦争に抗議して焼身自殺をされた著名なアメリカのクリスチャン、アリス・ハーズの『われ炎となりて』を、大学時代にはよく読んだ。芝田氏は、アリス・ハーズの翻訳者である。いま、芝田氏の訳したアリス・ハーズ『ある平和主義者の思想』(岩波新書)が手もとにある。それを調べてみると、一九八頁に次のようにある。

 「アメリカの哲学者ジョン・サマヴィル(一九〇五年ー)は、その著『平和の哲学』(邦訳、岩波書店)で、これまでの世界史をいままでのように古代・中世・近代にわけるよりも、原子力時代以前と以後にわけるべきではないかと述べています」

 芝田進午氏は、ジョン・サマヴィルの紹介でアリス・ハーズと知り合ったのであるから、芝田のヒロシマ紀元の思想は、おそらくサマヴィルにまでさかのぼることができるのだろう。これは、少し正確に調べてみようと思う。

 和多田氏は、先の鈴木邦男氏への手紙で、「この状況の下で私たちは生き、暮らしを立て、メディアの仕事をしているわけです。そのことを忘れないために、私は「核時代」紀元を死ぬまで使い続けるつもりでいるというわけなんです」と述べている。それは2007年(核時代62年)のこと、東日本大震災の四年前である。
 私も、この核時代という紀年法は、真剣に考えてもよいことなのではないかと思う。

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