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東大の御厨貴教授の「選挙の数をできる限り減らし」という提案は、民主制の原則を否定する暴論だ

◆TBS番組「時事放談」の司会進行役を務めている東大の御厨貴教授が読売新聞の9月20日付け朝刊1面の「地球を読む」欄に、「菅VS小沢 代表選」「民主に300議席の呪縛」と題する変なコラム記事を寄稿している。御厨教授は「小槌一ふり、300議席はいくら何でもとりすぎだ。身動きがとれなくなると、どうして民主党は思わなかったのか」と述べ、小泉純一郎元首相の例を引き合いに出して批判している。だが、この御厨教授の批判は、根本から間違っている。小泉元首相が断行した郵政解散で自民党が圧勝にしろ、2009年8月末の麻生太郎元首相が行い、民主党が大勝した総選挙にしろ、どちらも「まさか300議席を上回るとは思いもよらなかった」と勝った当事者が驚くような結果だったのである。どんな選挙でも「このくらい取ればいいだろう」などと予め獲得議席を計画して、その通りに行った試しは一度もない。

◆社会主義や共産主義国家、あるいは独裁国家なら計画通りの結果を出せるだろうが、自由と民主主義の国で、計画選挙ができるはずはない。これは、あくまでも左右に大きく揺れる結果を出す小選挙区制度のなせる業なのである。それとも、御厨教授は、中選挙区制度の下での古い政治思想にとらわれているのであろうか。古色蒼然たる東大安田講堂や江戸時代の苔むした赤門と同じような頭脳構造かも知れない。

◆そもそも小選挙区制度の導入の目的は、憲法改正と政権交代であった。このうち、とくに憲法改正について憲法が「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を求めなければならない」と規定しているので、これを可能とする選挙制度としてどうしても小選挙区制度を導入せざるを得なかったのである。

 政権交代は、衆議院で過半数の議席を取れば実現できる。それを達成したいま、民主党は最終的な目的である憲法改正に取り組まなければならない。民主党にそれができなければ、政権交代して自民党が、その任に当たらなくてはならない。すなわち、「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を求めなければならない」と規定しているからである。

◆また御厨教授は、奇妙な願望を示している。こう書いている。「国会は三分されたと見るがよい。民主党菅派中心の内閣は、前門の虎、後門の狼ではないが、民主党小沢派と自民党とに対し、きちんとまとまって政策協議を尽くすことが望まれる」

 しかし、衆参ねじれ状態において、これら3つのグループのうち、与党主流派が予算案や法案を国会で通そうとすると、どうしても民主党小沢派と自民党の案を丸呑みするほかなくなる。民主党がまとまったとしても、参院で否決されると予算案は自然成立するものの、法案は、衆院に戻した場合、「三分の二」条項が作動しなければ成立しない。このため、国会は混乱し国民生活が悪影響を受けることになる。だが、これは国民が選挙によって決めたことなので、甘受しなければならないのだから、政策協議を尽くすと言っても、与党の都合のいいように行くとは限らないのである。それでなくても、自民党の谷垣禎一総裁は、2011年3月〜4月ごろの衆院解散総選挙を求める戦略で臨んでいるので、菅首相の都合に合わせてくれまい。

◆さらに御厨教授は、このコラムの最後のところで、もっとおかしな提案をしている。以下の通りである。
 「与野党間で政策の枠組みと内容を討議し協議する政治のあり方を定着させることである。そのために障害物競走のように押し寄せてくる選挙の数をできる限り減らし、衆・参で選挙の意味を各々確定すればよい。少なくとも政権交代は、衆院選に限ることにしたらどうか」
 これは、「民主制の原則」よりも「利害調整」の方を優先させる無茶苦茶な暴論である。国会内で討議し協議するのは構わないけれど、それが政党間の「談合」になってしまったらどうするのか。利害は対立するものだ。折り合いがつかなければ、衆院解散総選挙により、国民に聞くしかない。最悪の暴論は、「障害物競走のように押し寄せてくる選挙の数をできる限り減らし、衆・参で選挙の意味を各々確定すればよい。少なくとも政権交代は、衆院選に限るとしたらどうか」という提案である。日本国憲法のどこにこんなことを許す規定があるというのか。民意が定まらないのなら、何度でも衆院解散総選挙により、国民に聞くしかない。民主主義というのは、時間と労力と費用がかかるものであることは、御厨教授が百も承知のはずである。もう一度、東大法学部で日本国憲法の勉強をやり直して欲しい。本来ウソツキの政治家に聞き書きする「オーラルヒストリー」だけでは、政治の本質には迫れないと悟るべきだ。

本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
民主党代表選最中から、暴力的闇の地下組織「洪門会」を使って日本にプレッシャーをかける中国の思惑とは

◆「中国 閣僚級交流を停止」「尖閣衝突 船長拘置延長に反発」と読売新聞が9月20日付け朝刊1面トップで報じたのをはじめ、新聞各紙、テレビ各局が、急速に険悪になりつつある日中問題を報じている。前原外相は「粛々と対応する」と語り、表向き冷静である。

◆しかし、日本の海上保安庁の巡視船に体当たりしてきた中国漁船を少なくとも日本の法令の1つである公務執行妨害容疑で船長ほか乗組員を逮捕し、司法手続きに乗せたのは極めて適正適法である。これの何が問題なのか。それでなくても、菅政権は、日本遺族会の落胆、失望、さらには批判を買うのを承知で、終戦記念日に閣僚全員による靖国神社公式参拝を自粛した。それにもかかわらず、今回なぜこんなにもエキセントリックになり、日本側は、冷静を装っているのか。摩訶不思議な現象である。

◆この謎を解くカギは、中国漁船そのものにありそうである。逃走するどころか、初めからまさに「当たり屋」の如く巡視船に何度も体当たりしてきている。こうなると、巡視船側は、あの北朝鮮の工作船と同じように撃沈するなり、粉々に爆破し、海中に沈没しておけばよかった。後でいくらでも言い訳できる。たとえば「あれは、北朝鮮の工作船だった」と言い訳して、別のビデオを公開するとか。それを船長及び船員14人を逮捕連衡したのは、まずかった。むしろ逃せばよかったのである。ということは、中国北京政府の謀略にまんまと引っかかったわけである。ならば、今回の事件の本質は、何か。

つづきはこちら→「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」*有料サイト(月額1000円)

こちらも連載↓
「小沢一郎という男の野望」板垣英憲著 NO.4

四王天延孝陸軍中将の名著「猶太思想及運動」〜板垣英憲が解説〜No.6

緒言
一、予が猶太人問題の研究に着手したのば第一吹世界大戦中からで、佛軍の中に居り、佛國のユダヤ人アンドレ・スピール氏著「猶太人と大戦」から啓蒙せられる所頗る多かつたのである。決して獨乙仕込ではない。

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